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ヘイトスピーチ
選挙演説の内容 どう対処すべきか
毎日新聞2016年9月19日 東京朝刊
外国人差別への対応を行政に促すヘイトスピーチ対策法施行後に実施された7月の東京都知事選で、在日外国人の排斥を主張する候補者が現れた。選挙の公平性を担保する観点から、候補者の言論内容に立ち入って規制するのは難しい。外国人排斥の言論が選挙中に起きた場合にどう対処したらいいのか。有識者に聞いた。【林田七恵、後藤由耶】
都知事選中に「出て行け」
都知事選告示翌日の7月15日、港区の在日本大韓民国民団(民団)中央本部の正面に、1台の選挙カーが横付けされ、選挙演説用の旗が掲げられた。選挙権のない在日韓国人の拠点に向けて、選挙運動が行われるのは異例のことだった。水色のたすきをかけた桜井誠氏(44)が選挙カーの上から叫んだ。「さっさと日本から出て行け」「あなたたちは日本に必要とされていません」。人通りは少なく、民団の職員と桜井氏の支持者とみられる10人ほどが見ていた。
桜井氏は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長。ヘイトスピーチ対策法施行から1カ月近くたった6月下旬に記者会見し、都知事選への立候補を表明した。東京都小平市の朝鮮大学校前で脅迫的な言動を繰り返し、2015年12月に東京法務局から是正勧告を受けた。この点について記者会見で問われたが「これまでヘイトスピーチに当たる活動はなかった」と主張した。
街頭演説で抗議を受ける可能性については、公職選挙法が選挙の自由の妨害を罰則付きで禁じていることを念頭に「選挙の時は、当然(相手が)選挙妨害で逮捕されるでしょうね」と説明した。選挙戦は繁華街の駅前などで活動したが、終盤に在日コリアンの街として知られる新宿区のJR新大久保駅近くを訪れた。千代田区の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部前でも演説し、朝鮮大学校前にも陣営関係者が選挙カーで乗り付けた。
民団中央本部の権清志(クォンチョンジ)企画調整室長(58)は「選挙中だからとヘイトスピーチが言いたい放題になった。ネットなどを通じて憎悪をかき立てる種子をばらまかれた」と話した。
桜井氏の選挙活動中の言動には日本に住む韓国・朝鮮人、中国人の排斥を呼びかける内容があったが、桜井氏は演説で「民団の人間はさっさと日本から出て行けと言っている。この訴えのいったいどこがヘイトスピーチなのか」と述べた。
一方、テレビの政見放送では明確に外国人排斥を求める発言は抑えた。公選法は政見放送で、他人の名誉を傷つけるなど品位を損なう言動をしてはならないと定めている。
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