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【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意に基づき、慰安婦被害者を支援するため韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の活動に、韓国国内で批判が強まっている。
合意そのものを受け入れていない被害者たちが記者会見や訴訟を通じて激しく反対の声を上げているにもかかわらず、これを無視し、一部の被害者とだけ面会して日本側の立場を伝えているという批判だ。
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ソウルの日本大使館前で8月31日に開かれた韓日合意に反対する記者会見で、参加者の発言を聞く慰安婦被害者=(聯合ニュース)
同財団は、合意に基づき日本政府が拠出した10億円が今月1日に財団の口座に入金されたことを受け、2日後に理事会を開き、2カ月ほどかけて被害者の意見を聴取することを決めた。
だが、この意見聴取は形式的なものにすぎないと批判されている。
財団側が日本政府からの10億円を使い、慰安婦被害者のうち生存者には各1億ウォン(約930万円)程度の現金を支給する方針を決めたことに対し、
被害者の金福童(キム・ボクドン)さんと吉元玉(キル・ウォンオク)さんは先月26日の会見で「慰労金として(日本から)金をもらうのは(韓国)政府が被害者を売る行為だ」などと述べて支給に強く反対した。
ソウル近郊の福祉施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)で共同生活を送る慰安婦被害者6人も先月30日、「1ウォンでもいいから法的賠償金を受け取るべきだ」などとして1億ウォンの受け取りを事実上拒否する意向を明らかにした。
また、金さんや吉さんを含む被害者12人は先月末、韓日合意により精神的、物質的損害を受けたとして、韓国政府を相手取り損害賠償請求訴訟を起こした。現在、生存する慰安婦被害者は40人で、訴訟に加わったのはその3割に上る。
被害者たちが「慰労金」の受け取りを拒否する姿勢を相次いで示しているにもかかわらず、韓国政府と財団の動きは一方的だ。多くの被害者が反対しようが、支給に賛成する一部被害者に現金を支払えばやることは終わりだと言わんばかりの態度を見せている。
財団の金兌玄(キム・テヒョン)理事長は7日、最初の意見聴取のためソウル郊外に住むある被害者の女性を訪ねた。この女性は加齢による病気のため意思疎通が不可能とされ、事実上、保護者の意見を聴くことしかできない状況だ。
これを受け、財団がきちんと意見を聴取するつもりなら、慰安婦問題を世界に知らしめ、日本政府と闘ってきた女性たちを真っ先に訪ねるべきでは、との指摘が出ている。
また、財団は韓日合意の内容を被害者に説明し、現金の受け取りを勧めるとしているが、合意の中核となる日本政府からの拠出金の「性格」さえも明確に規定できずにいる。
財団側はインタビューや報道資料で、10億円について「和解と癒やしのための支援金」などとあいまいに表現し、「賠償金」という言葉を一切使っていない。
それでいて、被害者に対しては「日本政府が謝罪と反省を表明し、合意に従い賠償の意味のこもった資金を拠出した」などと説明している。
慰安婦被害者を支援する韓国市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の関係者は
「90歳を超えるおばあさんたちが(慰安婦問題の解決を訴える)水曜集会などに出てきて今なお日本の謝罪と賠償を訴えているが、和解・癒やし財団はそんな努力をしてきた被害者たちの声を無視している」と批判。
その上で「誤った合意を押し通すのは今すぐやめるべきだ」と指摘した。
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