16/08/06 12:20:32.08 CAP_USER.net
URLリンク(www.sankei.com)
国防関係の展示会で展示された雄風3とキャニスターの模型(手前)=2015年8月、台北市内(田中靖人撮影)
URLリンク(www.sankei.com)
台湾が自主開発したコルベット艦「沱江」の甲板に設置された雄風3のキャニスター(中央)。前型の雄風2(手前)より若干大きい=2014年12月、台湾北東部・宜蘭県(田中靖人撮影)
URLリンク(www.sankei.com)
雄風3を登載した高速コルベット艦「沱江」。艦橋後部の甲板にキャニスターが見える=6月、台湾北東部・宜蘭県(田中靖人撮影)
台湾で7月1日、停泊中のミサイル艇が対艦ミサイル「雄風3」を誤って発射し、命中した漁船の船長1人が死亡する事故があった。
その後の調査や報道で、台湾海軍の規律の緩みが浮かび上がる一方、「空母キラー」と呼ばれるこのミサイルの性能が注目されることになった。
超音速で飛行し、小さな漁船を自ら探知して船体の中央部に命中した雄風3の性能の高さが、図らずも内外に示された形だ。
陰謀論も
事故は7月1日の朝早くに起きた。戦闘能力試験を受けるため、南部・高雄市の左営海軍基地に停泊していた錦江級ミサイル艇「金江」(約500トン)が午前8時15分、1発の雄風3を誤射。
ミサイルは中国方向に約40カイリ(約74キロ)飛行し約2分後の同17分、澎湖諸島の南東沖を航行中の漁船に命中、木造の船体を貫通し、その後、約2カイリ(約4キロ)飛行して海中に没した。ミサイルは操だ室を直撃しており、船長が死亡、船員3人が負傷した。
着弾地点は、台湾海峡の中間線まで約66カイリ(約125キロ)。
台湾海峡(幅約130~410キロ)には多数の船舶が航行している上、有効射程約140キロ、延長型で射程約300キロ超とされる雄風3なら、中国沿岸部まで飛び中国の艦船に命中してもおかしくない。
台湾への武力行使の口実ともなりかねず、週刊誌「壱週間」は「あと少しで台湾海峡の戦端を開くところだった」と表現した。当日の台湾海軍の記者会見でも、中国軍の反応を問う質問が出たが、海軍は「いかなる異常もない」と強調した。
この日は中国共産党の結党95周年の記念日でもあり、事故直後には、台湾独立色の強い民主進歩党への政権交代に不満を持つ軍内部が、蔡英文政権を困らせるためにあえて中国を挑発したのでは、という陰謀論もささやかれた。
折しも、蔡総統は中南米外遊中で不在。雄風3が「空母キラー」と呼ばれる“敏感”な兵器であることも、陰謀論に拍車をかけた。
陰謀よりひどい実態
海軍は当初から「人為的なミスが原因」としていたが、その後の調査や報道で、単なるミスに止まらない、安全管理や発射手順を軽視した規律の緩みが次々に明らかになった。
実際に発射してしまったのは、34歳の「ミサイル操作手」。陸軍の軍曹に相当する「中士」の階級のこの下士官は、操作手になって3年で初めての戦闘能力試験を前に、手順を復習したいと申し出た。
緊張で寝不足のまま発射管制装置がある「戦闘情報室」に入室。手順を確認していたところ、誤って装置を実戦で使用する「発射モード」にした上で、目標地点の座標を軍の訓練水域がある澎湖諸島沖として入力、発射ボタンを押してしまったという。
この間、上官の発射管制士官長(曹長)は席を外し、戦闘情報室には操作手1人しかいなかった。
発射装置にカギを挿したまま上官が不在にしたことに加え、通常の手順と異なり、甲板に設置されたミサイル発射機4基全てに電源コードを挿したままになっていたことで、発射できる状態になっていたことが判明。
海軍は直ちに海軍司令や艦長ら7人の処分を発表し、司法当局に捜査を委ねた。
外遊から2日に戻った蔡総統は、複数の安全管理手順が全て無視されていたことは「想像しがたい」とした上で「このような事件は絶対に許せない」と非難。「規律の緩みの表れだ」と再発防止を厳命した。
URLリンク(www.sankei.com)
(>>2以降に続く)