16/06/25 15:32:19.41 CAP_USER.net
◆釜山に赴任して
西日本新聞と友好紙の釜山日報(韓国・釜山市)の記者交換制度で、4月から釜山に駐在している。約2カ月半、日韓交流の深さと温かさを肌で感じた。
象徴的なイベントは、釜山市の繁華街・南浦洞で5月7日にあった「朝鮮通信使」関連のパレードだ。江戸時代に朝鮮王朝が外交使節団として日本に送った朝鮮通信使を再現し、太鼓を打つ楽隊、正使役を乗せたみこしが登場。
日本の対馬藩の武士役が先導し、拍手と紙吹雪の中を進む行列は、見る者に両国友好の歴史を強く印象づけたと思う。
日韓の市民団体もパレードに参加し、総勢約1500人が通りを練り歩いた。トリを務めた北九州市の黒崎祇園山笠は、とりわけ大きな歓声を受けた。勇壮な山笠を写真に収めようとする人が沿道から身を乗り出し、山笠関係者が「少し危なかった」と話すほど。
見ている私まで胸が熱くなる熱烈歓迎ぶりだった。
朝鮮通信使は、日韓の民間団体が関連資料の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録を目指している。国連教育科学文化機関(ユネスコ)から「登録決定」の朗報が届けば、日韓関係の改善に弾みがつくだろう。
釜山は福岡市から船で約3時間、飛行機では約40分。この近さから、日本に親しみを感じる人は少なくない。熊本地震は、釜山日報も被害状況を大きく報じ、市民も関心を寄せている。取材先のほとんどで「熊本は大丈夫ですか」と逆取材を受けている。
残念な話もある。ある医療関係者が、熊本地震の被災者支援のために募金活動をしようと勤務先や周辺の医療機関に呼び掛けたが、勤務先以外からは断られたという。「さまざまな患者や利用者がいて、誰もが日本好きとは限らない」のが理由だそう。
その医療関係者は、被災者応援ソングの動画作成へと企画変更した。すると支援の輪が広がり、プロの演奏家を交えた企画へと話が膨らんでいるそうだ。
日韓には歴史認識など根深い問題が横たわっている。市民レベルでも微妙な空気が漂う場面がある。ただ、海を隔てた隣人を思いやる心は、確かに温かい。市民同士の触れ合いこそ、両国の絆をさらに強めるものだろう。
それが国家間の問題解決への一助となると願う。
=2016/06/24付 西日本新聞朝刊=
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