16/06/08 07:44:47.96 CAP_USER.net
被爆者との歴史的抱擁の裏側で抗議のシュプレヒコールを上げる人々がいた…韓国人被爆者も「謝罪しろ!」
オバマ米大統領が広島を訪問し、原爆被爆者と静かに抱擁を交わした歴史的一日となった5月27日、祝福ムードの中で「訪問反対」のシュプレヒコールをあげた人たちがいた。
原爆を投下した当事国である米国の現職大統領が初めて慰霊碑に祈りを捧げに来るのに、敢えて反対する理由は何なのか? 彼らの主張に耳を傾けてみた。
「再び核兵器を使うに違いない」?
「オバマの広島訪問反対!」「被爆地を政治利用するな!」「皆さん、だまされないでください!」「エセ平和団体!」
オバマ氏の訪問を約5時間後に控えた27日午後0時半ごろ、訪問地の平和記念公園に隣接する原爆ドーム前で、反対デモ隊と訪問を歓迎する団体が互いに“口撃”を繰り広げていた。数十人の警察官が取り囲む中、激しい応酬は約30分間続いた。
デモは「被爆71周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が主催。「全ての米軍基地を撤去せよ」などと書かれたのぼりやプラカードを持った男女30~40人が集合した。メンバーの男性は「謝罪なしに来ることは絶対反対。再び核兵器を使うに違いない」と語気を強めた。
一方、対立したのは「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のメンバーらでつくる市民団体「行動する保守運動」。オバマ氏に歓迎の気持ちを示すために広島を訪れていたという。マイクを握っていた女性(40)は「オバマ大統領を歓迎しないなんて日本人とは思えない」と主張した。
にらみ合いの後、デモ隊は繁華街の中へ。「広島を戦争に利用するな」などと拡声器で呼びかけながら行進していった。
12歳のときに被爆したという広島市中区の女性(83)は「オバマ大統領が来るのを皆、心待ちにしているのに、あんなことを言うなんて、日本人として恥ずかしい」と眉をひそめた。
どうしても「米帝」に反対したいのか
オバマ氏の訪問は被爆者団体などの長年にわたる要望で実現した経緯がある。それなのになぜ訪問が戦争につながるのか。「日米同盟強化のための訪問反対」との主張から、どうやら日米同盟の深化に反対しているようだ。
主催団体共同代表の大江厚子さん(60)=セイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表=は「オバマ大統領は本気で核廃絶する気はない。慰霊を済ませたことで『免罪符』を得たいだけだ」との見解を述べる。
さらにオバマ氏について「(核廃絶は)ポーズだけで核兵器の発射ボタンは常に握っている。そもそも覇権主義のアメリカ大統領である時点で信用できない」とこき下ろした。
では、訪問を熱望していた広島市民の思いはどうなるのか。大江さんは「大統領が来れば解決する問題ではない。武力とカネで世界を制圧しようとする人たちに物申すことが必要だ」と熱っぽく語る。
武力とカネ、それはつまり覇権主義と資本主義のことだ。いつの間にか政治思想の話にすり替わってしまった。
それでも求める謝罪と賠償
一方、独自の闘いを進める人々も。27日午前、韓国人被爆者と被爆2世の計6人が、平和記念公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑で支援者とともに手を合わせ、黙とうを捧げた。
その1人、沈(シム)鎮泰(ジンテ)さん(73)は「オバマ大統領は韓国人原爆被害者の慰霊碑を訪れることを要求する」とのオバマ氏へ宛てた手紙を読み上げた。
沈さんは「日本の侵略戦争と植民地支配への責任を回避しようとする安倍政権の意図に利用されないことを望む」などと持論を展開し、「韓国人原爆被害者への謝罪と賠償は当然な責務」と言及した。
最後は日本語と韓国語で「オバマ大統領は謝罪しろ!賠償せよ!」と拳を突き上げ、全員でシュプレヒコールをあげた。
沈さんは本来、26日午後に献花する予定だったという。だが、降り立った関西空港での入国手続きで「日本政府の妨害」にあい、26日の訪問が叶わなかったのだという。
別室で聴取されたことや荷物検査を実施されたとした上で、「植民地支配下で与えられた、大変な侮辱を感じた」と憤る沈さん。
オバマ大統領への手紙を「平和的に渡したい」と話したが、主に警備上の理由から、直接接触することは難しかったようだ。
産経新聞 2016.6.6
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