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世界初、HIV陽性者の精子を提供する精子バンク誕生
日本のHIV嫌悪「青酸カリを飲んで死んでほしい」(3)
青酸カリでも飲んで自殺を
日本にも、社会から受けるスティグマに苦しんでいるHIV感染者の方が多いことと
思う。欧米社会よりもはるかに多いことだろう。拙著『ある日本人ゲイの告白』で
取材した、在米の日本人エイズ患者の男性がこう話していた。
「日本には、日本社会特有のスティグマから、HIVに感染しても、親や友達に打ち
明けられず、悶々と1人で悩んでいる感染者が多いのではないだろうか。個人が強い
アメリカでは自分の意志でカミングアウトすることもできるけれど、日本ではそう
はいかない。自分だけの問題ではないからね。親の問題であり、家族の問題であり、
親戚の問題であり、近所の問題であり、会社の問題にまで発展してくる。そんな村
的な日本の社会構造を打ち破るのは難しいことかもしれない」
彼は、日本社会では、HIVやエイズ患者に対するスティグマがアメリカ社会よりずっ
と大きいことを実体験していた。HIVに感染したことを日本にいる父親に告白した
時、“おまえは一家の恥だ”と言わんばかりにこう言われたのだ。
「本当は青酸カリでも飲んで自殺してもらいたいところなんだぞ……」父親の一言
からスティグマを実感した彼は、エイズ発病後も日本に戻ることなく、アメリカで
闘病し、アメリカで生を全うした。彼が最期の日々を送ったホスピスに、ある日、
彼の父親が日本から彼の遺骨を取りに来た。ホスピスで彼の世話をしていた女性は
怒りを覚えた。「闘病している時は会いに来ないで、死んでから来るなんて」彼が
亡くなって26年が過ぎ去った。しかし、今も、世界には、スティグマに苦しむHIV感
染者やエイズ患者が大勢いる。
ニュージーランドで立ち上がった「精子ポジティブ」がHIVに対するスティグマと
いう根深い問題を解決する一助になることを願う。