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投開票日の9月30日午後9時半すぎ、玉城デニーさん当選確実の報道を受け、歓喜に包まれる沖縄県那覇市の会館で、創価学会を象徴する青、黄、赤色の三色旗が揺れた。
「ウチナーンチュのチムグクルが辺野古新基地建設反対の意思を再び示した」。野原善正さん(58)は、体いっぱいで喜びを表すかのように、旗を大きく振り続けた。
「学会員が集票マシンとして使われる。ウチナーンチュの魂を見せなければ」。危機感に駆り立てられた。
約15年前、布教を巡って組織と対立したことがあった。反逆者と言われ、職も失った。「本当につらかった。今回も正直、怖かった」と振り返る。
今回、親戚からも運動をやめるよう諭されたが、告示日から10回、玉城さんの演説場所で三色旗を振った。同志に深く考えてほしかった。
野原さんは創価学会の池田大作名誉会長の文章をよりどころとした。沖縄に思いをはせた池田名誉会長は著書の中で「人類史の悲劇がこの小さな島に集約された。
ゆえに人類史の転換をこの島から起こすのだ」とつづった。転換とは新基地建設阻止のことだと思った。同志にも物事の本質を深く考えてほしかった。
ヒサ子さん(66)は「このままでは古里の自然が壊されてしまう」といても立ってもいられず沖縄に来た。「白い目で見られたりするのも信仰心を疑われるのも怖かった」と語る。
だが、青く澄んだ辺野古の海が埋め立てられるのが許せず、玉城さんの陣営で運動し、県内の学会員を説得して回った。
石垣市出身の安里善好さん(82)=浦添市=は学会に加入して59年。8歳の時、沖縄戦では、マラリアで両親を亡くした。自身も発病したが九死に一生を得た。「基地建設は戦争につながる。目をつぶってはいけない」と語気を強める。
共同通信の出口調査によると今知事選で、公明党支持層の27%が玉城さんに投票した。
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