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東京都議会で塩村文夏都議へのヤジ問題がいまなお注目を集めています。都議会は信頼回復と再発防止に努める姿勢を示す
決議案を可決しました。しかし、ヤジを認めた鈴木章浩都議以外のヤジの発言者についての調査を求める2案は否決される見通し
です。
都議会でのヤジでさえ、誰が発言したかを確定するのは至難の業です。限定された議員であったも全体の中でヤジが飛ばされると
なかなかわからないのですね。
私は問題はヤジだけではないと思っています。今、匿名性の高いインターネットツールや情報ツールがたくさん出ています。匿名に
よる過激で攻撃的な文化ができつつあると思っています。ここにこそ現代社会の問題があるように思っています。
匿名性が高くなると、発言は過激になり、人権問題にもなるようなものがたくさんでてきます。ヤジだけではなく、インターネットの
世界では、誹謗中傷、差別発言、人権無視の発言が飛び交います。人種差別、外国人差別、障碍者差別、女性差別など驚くような
言葉がやりとりされます。しかし発言する人はすべて匿名。誰が書き込んだかは全くわからない状態です。それを書かれた人は怒りを
ぶつける場もなく、一方的にやられるだけ。これが許されていいのでしょうか。
こうしたことがインターネットの世界では日常茶飯事になっているために、一つ一つの案件をとりあげ、誰がそうした言葉を
書き込んだかを特定することはほとんど無理となっています。2ちゃんねるなどでは匿名者が次々と驚くような暴言を書き込みます。
日本社会は農村社会でした。土地に縛られた農村の村コミュニティでは、匿名性はほとんどなく、どこのだれが何をしているのか、
ということが分かりました。しかし、工業化・都市化が進む中で、匿名性が高くなり、隣は何をする人ぞ、という状態になりました。
それに拍車を掛けたのがIT化。インターネットの世界では人の名を語ることも、架空の名を付けることも可能になりました。全く誰が
したかをわからないようにして、人を傷つけることが可能になったのです。
今回のヤジ問題をみて、ヤジだけの問題ではない、ということをもっと認識すべきだと思います。ヤジは象徴的に起きた事件です。
世の中にはこれ以上の無法地帯が広がっています。この匿名文化をどのように改善していくのか。現代の情報化社会の大きな
課題です。この課題が東京都議会という政治の場で明らかにされたことは、何か感慨深いものがあります。日頃は政治家もこうした
匿名者のヤジや書き込みに苦しんでいます。その文化を変えたいのなら、誰かわかないようにヤジを飛ばして人を傷つけなんて、
絶対にやってはいけないことですね。
ソース(Yahoo個人、児玉克哉氏、三重大学副学長・教授)
URLリンク(bylines.news.yahoo.co.jp)