14/05/16 16:46:25.24 IcOxzRGs0
【同じ二科生でありながら一抹の共感より先に立つのは、より下を見ては嗤いモノにする愉悦。卑しい優越に耽る負の連鎖】
『私たちは学内差別撤廃同盟「スリー・ハーブズ」です。私たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します』
「プハッ!」 ─思わず噴き出した達也に教室内から奇異の目が集まったが、
「クックックックックッ……」 ─笑いの発作はその程度で収まってくれなかった。
「ねぇ、笑ってていいの?」 ─尚も放送設備を通じたアピールは続いていたが
耳から入ってくるそれを意識から締め出すことで、達也はようやく笑いを止めることができた。
「そう、だな」 ─だが、まだ少し、口調が怪しい。 「放送室を不正利用していることは間違いない。 委員会からお呼びが掛かるか」
「……何がそんなに可笑しかったんだ?」
「いや、これが笑わずにいられるか。お前はよく平気だな、レオ」
─再びこみ上げてくる笑いの衝動をこらえているのが、傍で見ていても分かる。
「スリー・ハーブズ……ククク……平均という発想自体が、区別を認めているんだがな」
「平均?」 「どういうことですか?」
「three halves、つまり1.5…… 要するに、『1』科と『2』科を平均して1.5ってこと。
差別撤廃とか言っておきながら、一科と二科の区別を存続させることを前提とした命名じゃないか」
─一瞬、キョトンとした顔をしていたが、直後、エリカとレオが盛大に噴き出した。
「な、なにそれ?」 「あ、アホだ、こいつら」
─苦しそうに身をよじる二人の傍らで、美月も失笑をこらえ切れずにいる。