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【朝日新聞】(科学の扉)有害生物駆除に死角あり エサ場見逃し繁殖/別の生物増える場合も - 暇つぶし2ch1:わんにゃん@名無しさん
18/12/22 11:11:33.16 TI4N69RL.net
有害生物対策、捕獲数主義の落とし穴<グラフィック・高田ゆき>
 農業や生態系を守るには、有害生物の駆除が重要だ。だが、単にたくさん捕まえても効果が上がらなかったり、意外な副作用が出たりする場合がある。他の対策との組み合わせや、影響を注意深く見守ることが有効だ。
 「有害獣を捕まえてジビエ(野生動物の肉)に」「ため池の外来種を取り除いて生態系を元通りに」。そんな活動が注目されている。ただ、有害生物への対応は難しい。「何匹捕獲(駆除)したか」だけにとらわれると思わぬ事態が起きる。
 よくあるミスの一つが、「いくら捕獲しても被害が減らない」ケースだ。
 たとえば、野生化したネコが人里で餌付けされると、どんどん子どもを産む。山や森でネコを捕まえても、餌付けをやめなければ増殖は止まらない。いつまでも山や森に入るネコが後を絶たず、希少動物も襲われ続ける。被害を減らすには、餌付けをやめることも必要だ。
 こうした「食う―食われる」の関係に別のエサが供給されることで、食う側の生物が増えてより多くの獲物を襲うようになる状態を「ハイパープレデーション(過剰捕食)」という。消防車が火に水をかけている隣で油をかけるようなものだ。
 過剰捕食は、草食動物と植物の間でも起きる。放棄された山奥の牧場で自由に草を食べて増えたシカが、森の下草を食べ尽くすような事態だ。森のシカと下草という「食う―食われる」の関係に、放棄牧場の草という人が供給したエサが加わり、シカが増え、被害が深刻化する。
 東京大の宮下直教授(保全生態学)は、「意図的か非意図的かに関わらず、人の行為が過剰捕食を生み、有害生物の被害を後押ししてしまう例は少なくない」と話す。
 特定の生物を駆除したところ、別の生物による被害が目立つようになる現象もある。
 ため池の水を抜いて外来魚などを捕獲する「かいぼり」で、ブラックバス(オオクチバス)を取り除くと、ブラックバスが食べていたアメリカザリガニが爆発的に増える。すると、増えたザリガニが水草を刈り取り、水草を隠れ家や産卵場所、エサにしていた昆虫などが激減する―。こんな例が知られるようになってきた。
 外来魚の駆除に詳しい「シナイモツゴ郷の会」(宮城県)の高橋清孝・副理事長は「駆除と同時にアメリカザリガニ対策を考えること、継続的に取り組むことはとても重要だ」と指摘する。
 外来魚の駆除でアメリカザリガニが増えるような現象は、「メソプレデター・リリース(中位捕食者の解放)」と呼ばれる。ネコとネズミなど複数の外来種が入り込んだ島の生態系で、ネコにもネズミにも食べられる小型の生物や鳥類がいる場合などにも起きることがある。部下に厳しくて怖い部長が異動したところ、おとなしくしていた課長が、突然威張り出すようなものだ。
 中位捕食者の解放は、外来種の駆除に伴って必ず起きるわけではない。一方、在来種だけの生態系でも、人が手を加えることで起きる可能性はある。米国では、野生のヒツジを増やそうとオオカミを間引けば、より小型の肉食獣のコヨーテが増えて子ヒツジを襲い、かえってヒツジを減らしてしまう予測などが報告されている。
つづく


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