08/08/20 11:38:11 MjLH1cgS0
審査員評価
松尾羊一
主題の重さを表現力で訴える骨太な2作品…青春群像をシェアハウスという
擬似家庭の中で、愛と性のアンビバレンツに苦しむ若者達の内面性を鋭くとらえた
「ラストフレンズ」、また連続ドラマではタブー視される政治を“永田町”の実態から
批判した勇気ある「CHANGE」。この2作品に圧倒的に話題が終始したクールだった。
ただ、キムタク首相への願望より、上野樹里や錦戸亮の異常な愛の内実に迫った
演出力がわずかに優っていた。
稲増龍夫
「CHANGE」と「ラストフレンズ」が印象に残った。どちらも脚本の良さが光ったが、
「ラストフレンズ」は重い現代的なテーマなのに、あえてさわやか系のキャスティング
という意外性が成功した。「CHANGE」はいろいろ言われたが、近年では出色の政治
ドラマだったと思う。実際、“小泉劇場”以降は現実の政治のドラマ性が高く、
テレビドラマが絵空事に見えてしまうところをギリギリのリアリズムを保ちつつ、
上手く人間ドラマとして成立させた。
麻生千晶
投票した作品、演技者などがほぼ全ての項目で当選したので喜んでいる。
ドラマ化しにくいテーマをあえて真正面から描いた「ラスト・フレンズ」の功績は
若い視聴者にも媚びないフジの熱意と製作姿勢が今日性として伝わったもので、
今後の光明になり得る。木村拓哉、上野樹里、錦戸亮、天海祐希らに見どころ。
一方、苦し紛れに韓国ものをトレースした「猟奇的な彼女」が見るも無残な失敗に
終わったのは当然である。企画力のなさを大いに反省すべし。