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哺乳(ほにゅう)類のオスはペニスを勃起(ぼっき)させて射精するために、脊髄(せきずい)に
専用の神経回路を発達させていることを、京都府立医科大学の坂本浩隆助教(神経解剖学)らが
発見した。この神経細胞は、特殊なホルモンを作り出していることもわかり、勃起不全などの
原因を探るかぎとなりそうだ。米科学誌ネイチャーニューロサイエンス(電子版)に19日、掲載される。
坂本さんらは、神経細胞が出すガストリン放出ペプチド(GRP)というホルモンとしても
働く物質に注目。ラットを使い、下半身の運動や感覚をつかさどる腰付近の脊髄を輪切りにして
GRPがあるかどうか、染色で確かめた。するとオスだけに、よく染まる神経細胞があり、
神経の先端が勃起や射精を起こす自律神経につながっていた。一方で、オスの
生殖器が萎縮(いしゅく)したラットには、GRPを持つ神経は発見できなかった。
GRPの放出を薬などを使って調節する実験では、勃起と射精は対応して増減した。
哺乳類のオスの生殖行動は、脳からの興奮と同時に、脊髄での反射も重要な役割を
しているとみられる。今回の成果は、反射と勃起のメカニズムの基礎的な関係を解明するもので、
坂本さんは「勃起不全の治療に結びつく可能性がある」と話している。