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それは1970年代前半のことだった。
枚方の寿司屋で修行をしていたがクビになってしまった御殿山青年はささやかな事情から
ある暴力団組織の預かりの身になっていた。
最初は御殿山青年は寿司屋の修行をケツ割って逃げた男としてあまり信用されていなかったが
しかし仁侠映画の世界に長年憧れてきただけあり珍しくも一生懸命にヤクザ修行に励んでいた。
挨拶、事務所の掃除、便所掃除、シノギの勉強などなど着々とこなしていきやっと一人前と
認められてそろそろ御殿山青年にも盃を降ろそうかという話が出始めた頃に事件が起きた。
その日は御殿山青年が仁侠道に入るきっかけを作ってくれた仲の良い兄貴分(実はホモ)
が本家の番をしに行かなければいけない日なのであった。
兄貴分にその用事へと誘われた御殿山青年は浮き足だって初めて本家へと向かっていった。
ぐるっと囲まれた大手にきれいに手入れをされた庭木たちそして立派な錦鯉が泳ぐ池。
まだ挨拶しかしたことのない憧れの組長の本宅はなかなかに立派なたたずまいなのであった。
兄貴分に着いて本家の番の色々な仕事を習う御殿山青年。
まだ電話番すらさせてもらえない身であるので一生懸命にぞうきんで廊下掃除をしていた。
するとアノヒトの鼻歌と湯の音とカポーンと言う桶の音が聞こえてきた。
こちらから挨拶をするのが精いっぱいでまだ滅多に口を聴いてもらえないアノヒトがいる。
御殿山青年は興奮してきた。掃除そっちのけで風呂場の扉を細く開けて覗きこんだ。
「誰だっ」幾多の抗争事件を掻い潜ってきた組長は怪しい気配に敏感に気付いたのだった。
「ゴメンなさいオヤジさん、自分はオヤジさんの立派な彫り物が気になってしまいつい・・」
御殿山青年は必死でその場を繕つくろうとして懸命だった。
「貴様自分の立場が分かってないのか・・・」と組長の拳が御殿山青年の頬にめり込んだ。
その瞬間性的に興奮してしまった御殿山青年はあろうことか組長に背中から抱き着き
勢い任せで組長を悍ましいホモの世界へと引摺りこんでしまった。
組長の悲鳴と共に組員たちが呼び声を掛けながら廊下を走ってくる。
御殿山青年は身の危険を感じその場から逃げ出した。
前代未聞の組長カマ堀事件のケジメはホモの兄貴分がつけたという