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2008年3月27日朝刊 東京新聞
『ガンダム作りの苦労 水島精二監督に聞く 今の世界情勢を意識』より一部抽出
対立するイデオロギーのもとに戦う二極間戦争ではないので、対立軸が見えにくい。
主人公が“テロリスト”でいいの？ 武力による平和の構築なんて理念を肯定していいの？
ツッコミどころ満載で、見ていてモヤモヤしてしまうのが、今回のガンダムだ。
そこは監督も「モヤモヤさせたくてやったんですが、モヤモヤしすぎて分かりにくくなったという反省はあります」
と認めるが、現実の世界も対立軸は複雑で、分かりやすい戦争、誰もが納得できる正義なんて存在しない。
今の世界情勢は「意識しました」。大人のファンも大勢いるが、一番見てほしいのは、今を生きている中高生だ。
「彼らには背伸びしたテーマでも、今の世界を引き写した物語の中で、主人公たちがどう行動するのか見てほしい。
『僕もそうだ』ではなく、『この人たち何やってるの』という対象でもいい。
強い理念を持った人が出てくる方が面白いし、分かりやすい。
難しいテーマを選んでしまったけど、批判的でもいいので、いろいろ考えてほしい」