08/12/13 22:13:56
刹那の結婚前夜
(今日か・・・俺は、アイツを幸せにできるのか・・・)
時刻は深夜1時過ぎ。刹那は悩んでいた。式の日程を決めた日から、日に日に不安になる感情に悩んでいた。
(俺はアイツに相応しいのか・・・俺は・・・)
ガチャ
刹那の考えが何回目かのループに入る寸前に、部屋の扉が開いた。刹那はふと扉の方を向いた・・・そこに居たのは、意外な人物だった。
「なんだぁ? まだ起きてたのか?」
「・・・アリー・アル・サーシェス」
「ったく・・・明日ってか、今日はテメェにとっちゃ大切な日になるんだろ?だったら、さっさと寝ちまいやがれ。」
「・・・」
「ん? もしかして寝付けねぇのか?」
「・・・あぁ」
刹那の育ての親、アリー・アル・サーシェス。彼は幼い刹那に色々な事を教えてくれた。悪ぶっているが、優しく・・・そして、刹那の結婚を誰よりも、喜んでいる。
「ったく・・・寝れねぇ~なら、一杯付き合え」
「いや・・・俺は酒は・・・」
「良いから付き合え!・・・たまには俺の言うこと聞いたらどいだ?」
「・・・あぁ そうだな」
刹那は、いつも見るサーシェスの瞳と違う、どこか寂しそうな瞳をしたサーシェスに不思議な感覚を抱き、一杯付き合う事にした。
「ほらよ」
「・・・ウィスキーか」
「おうよ♪」
リビングに酒を持ってきたサーシェスは何故か上機嫌だった。刹那はあまり見ないそんなサーシェスに少し驚いたが、すぐに慣れてきた。
「しっかし、テメェとは長い付き合いだが・・・俺より先に結婚しちまうとわな~」
「・・・」
「んで、何悩んでやがるんだ?」
「!?」
刹那は驚いた。まだ何も言っていないのに、サーシェスが、自分の思ってる事に気付いたからだ。