08/12/12 00:49:16
結婚前、アリー義父説。二回に分けます。
なぁ刹那、気付いてるか？最近のお前ときたら毎日笑いっぱなしなんだぜ？
「抱きつくな、離れろ！」
「なんでよー、くっついててもいいじゃない！」
「恥ずかしくはないのか？父さんだって見ているだろう！」
「刹那こそなんで恥ずかしがるのよ！」
笑ってるだけじゃなくてよ、一丁前に照れた顔も見せるようになってんだよ。そりゃあもう幸せそうにな。
まぁお前のことだ、大きく表情に出てるわけじゃねえが、雰囲気やら何やらで分かんだよ。
「安心しろ刹那。俺はじっくり見物するからよ！」
「父さん！」
「ほら、お義父様からも許可が出たんだから！」
「俺とお前は結婚していない！呼び方を変えろ！」
ほら、また口元が緩んでら。釣れない言葉ばっか出てくる口からよ。
あれか？二人っきりの時しか素直に言えねえのか？
「しかし嬢ちゃんも気が早いぜ。本気で嫁ぐつもりか？」
「お義父様さえよければいつでも！」
「俺の意思は聞かないのか！？」
「何よ、刹那だって結婚したいって思ってるくせに！」
しかしまぁ、嬢ちゃんもよくこんな奴に惚れたもんだ。
こないだ嬢ちゃんに『何故刹那が好きか？』って聞いたら数時間かかったっけな。
「あっ、そろそろ夕食時ですよね。あたしが作ります！」
「な！？」
「も、申し出はありがてえがよ、嬢ちゃんにできんのか？」
「えっと……今度こそ成功させます！任せてみてください！」
そういやこの嬢ちゃん、恐ろしく料理が下手だったな。本人も自覚ありで。
正直、以前の失敗ぶりを考えるとやらせたくないわけだが……仕方ねえ。それに……
「……父さん、俺も……」
「行くんじゃねぇよ、刹那。嬢ちゃんに任せてやんな」
「だが……」
「嬢ちゃんも女だ。意地ってもんがあるだろうよ」
「………」
それにな、嬢ちゃんはお前に食べて欲しくて作んだからよ。
それを邪魔しちゃ男じゃねぇし、ガンダムじゃねぇのよ。