スーパー戦隊 バトルロワイヤル Part3at SFX
スーパー戦隊 バトルロワイヤル Part3 - 暇つぶし2ch550:名無しより愛をこめて
09/02/03 17:21:30 8oO/XffXO
くっ!乗り遅れたか。
まさにどうしようもない状態のバンキュリアもorz

551:名無しより愛をこめて
09/02/07 13:44:28 09mj48PQ0


552:名無しより愛をこめて
09/02/08 00:33:32 lMC5QG90O



553: ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:08:52 kDBnFMa30
志乃原菜摘、高丘映士、投下します。

554:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:09:36 kDBnFMa30
ゴロンと横たわる大きなオレンジ色の爆竜。
アンキロベイルスのキレイなオレンジ色の体表が、遠目からでもはっきりと良く見える。
背中のトゲトゲした銀色の突起が、太陽の光を受けて鈍く輝いていて、まるでアンキロベイルスが『菜摘、こっちだキロ~』と私を呼んでいるみたい。
「っ!?あいつがアンキロベイルスか」
アンキロベイルスを目の当たりにした映士は、猫みたいにカッと目を見開いた。
ま、あの大きさじゃ驚くのは無理ないよね。
でも、アンキロベイルスは怪物じゃない。
私を助けてくれた、私にとって大切な友人。
映士にとってのウメコってコと一緒だと思う。
「そんなに驚くことないキロ!」
私はわざとアンキロベイルスの口調を真似て言ってみた。
映士は面食らった顔で私を見つめて、
「お、おぅ。すまねぇ」
なんて、ちょっと間の抜けた返事を返した。
解ればよろしい。
私はきゅっと口を結んで頷き、映士の肩をばしんと叩き先へ急がせた。
映士が走る速度を上げる。
私も映士に合わせてどんどん速さを上げる。
急がなきゃ、ね。
なにしろ、壬琴がウメコってコの首輪を奪いに行くまでのカウントダウンは、もう始まってるんだから。

壬琴が私たちに与えたのは3時間。

普通で考えれば、3時間あれば結構といろいろ出来る。
落とし物を探すには充分かな?とも思える。
でも、今、探さなきゃならないのは普通の探し物とちょっと違う。
3時間。それは、充分なようにも足りないようにも思える。

アンキロベイルスの首輪を探すには、まず何処に落ちてるかっていう場所の特定が肝心。
だけど、場所はそう心配じゃない。
映士が探してみせると言ったし、その手段を映士は持ってるから。

555:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:10:15 kDBnFMa30
ただ一つ、私が心配なのは、首輪がどこに落ちてるか。
それによって結果が大きく変わってくる。

『沈みかけている島が見え……たから、きっとそこに菜摘がいると思って……』

アンキロベイルスは、確かにそう言っていた。
きっと、アンキロベイルスがいたのは、私が捜していた洞窟からそう遠くないところ。
何か特別な仕掛けがしてあったのか、水中だったのか地中にいたのかは解らないけど。
アンキロベイルスが元の大きさに戻った事で、落ちてしまった首輪が海に沈んでいたり、土砂に埋もれてしまったりしているかもしれない。
もし、海中だったら……。
流れが激しい上に、海底にはごろごろ岩が転がってて見つかりにくいだろうし。
もし、地中だったら……。
どれくらい下に埋まっているかで掛かる時間が全然変わってくる。
どっちにしろ、実際に行ってみなければ、答えなんかでない。

……なーんて。案外、こんな心配は無用だったりして。
海にプカプカ浮いてたり、アンキロベイルスのすぐ側に落ちているかもしれないし。
って、やっぱりそんなに都合良くいくわけはないか。

「おい、菜摘!待てよ。俺様に任せとけって!!」
映士の声が後ろから聞こえた。
考えてるうちに、いつの間にか映士を追い越してたらしい。
私は少し走る速度を落とした。
夢中で走ってたおかげでもうアンキロベイルスは目の前、ここからは映士の出番だ。
私は右手を腰に当て、左手で映士をビシッと指差した。
「じゃあ、早速だけどお願いね!」
「おう、任せとけってんだ!」
映士は手で鼻を擦りニヤリと笑った。
「ゴーゴーチェンジャー!スタートアップ!!」
まさに、俺の出番だ!と言わんばかりのオーバーリアクション。
振り上げた腕のブレスが銀色の閃光を放ち、映士はボウケンシルバーに変身した。

556:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:11:46 kDBnFMa30
流石、眩き冒険者と名乗るだけのことはあるね。
眩しくて、つい私は目をそらした。
そしてアンキロベイルスの、背中の鎧みたいな銀色の装甲を見あげる。
文字通り『眩く』輝いたボウケンシルバーの銀色の光は、アンキロベイルスの鈍い銀色と比べて眩しすぎた。
生と死の対比みたいで、ほんの少しだけ心が痛かったのは内緒にしておこう。
私の視線を追って、ボウケンシルバーもアンキロベイルスを見あげた。
「許せねぇよな。これじゃ、まるで見せしめじゃねぇかっ!」
おっと、いきなりボウケンシルバーがキレた。
でも、『見せしめ』か。
そうか、見せしめにするためだから、身体の大きいアンキロベイルスだったんだ。
ロンのやった事と、助けて上げられなかった悔しさで鳥肌が立った。
「うん。絶対、許せない」
私は涙を飲み込んで言った。
「ロンは、ただ首輪を外しただけじゃ帰れない。結局は殺し合いに乗らなきゃ生きて帰れない。
きっと、その事を私たち参加者に思い知らせるために、最初から見せしめにするために、アンキロベイルスを使ったんだわ」
私はアンキロベイルスの、キレイなオレンジ色の肌をそっと撫でた。
もうすっかり冷たくなってしまった新しい友達。
「ごめんね。本当に絶対ロンになんか負けないから」
私はアンキロベイルスに誓った。
アンキロベイルスの死を無駄にしないためにも、絶対に負けないと―。


――キュイーン、キュイーン。
サガスナイパーが探索音を鳴らし首輪を探知し始める。
「ヒット!」
わかりやすい!
もう場所が解ったのね。
私はボウケンシルバーの元へ駆け寄った。
「あったの?」
「ああ、こっちだ!」
ボウケンシルバーと私はサガスナイパーの示す方向へ急いだ。

557:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:12:20 kDBnFMa30
ちらっと時計を確かめる。
壬琴と別れてから、まだ1時間も経っていない。
楽勝かな?つい、頬が緩んだ。

だけど、やっぱりそうは問屋が卸さなかった。
サガスナイパーの反応を追った私たちを待っていた先は断崖絶壁。
自殺の名所と表すのがピッタリの場所だった。
崖の下はご丁寧にも渦が巻き、高い水しぶきが上がっている。
私はごくりと一つ息を飲み込んだ。
「この崖の下って訳ね?わかったわ」
腕を捲くって飛び込もうとした私をボウケンシルバーが慌てて止めた。
「バカヤロー!変身出来ねぇくせに飛び込んでどうすんだ」
グサッと映士の言葉が胸に突き刺さる。
バカヤローはないんじゃない?
……確かに変身できないけど。
映士と壬琴に話したように、アンキロベイルスを助けようとした時、私はアクセルキーを海に落としてしまっていた。
そのおかげで私はイエローレーサーに変身できない。
鍵なんてなければよかったのに。
私はただのブレスレットと化したアクセルブレスを恨めしく見つめた。
きっとダイノハープの一件の時、壬琴で爆笑したバチが当たったんだ。
他に私が持っているのは、同じように鍵がなきゃ変身できないダイノコマンダーと、ゲキファンにダンベルみたいな物と、アンキロベイルスを捜すときに見付けた通信機だけ。
今、役立ちそうな物はない。
「お前はここで大人しく待ってろ!!」
「大人しくって何よ!」
「だから!俺様に任せろって言ってんだろ!!」
ボウケンシルバーはサガスナイパーを私の右手、アクセルブレスにかざし、探査に使うチューニングを切り替えた。
――キュイー―ン。
「ヒット!」
再びサガスナイパーが海の中で反応を示した。
フン、と勝ち誇ったようにボウケンシルバーは鼻を鳴らした。

558:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:12:53 kDBnFMa30
「やっぱりな。俺様の読み通り、菜摘の落とし物も首輪も流されて、ここに集まって来てるようだぜ。待ってろ、俺様が取ってきてやる!」
ボウケンシルバーは私の答えを待たず、断崖絶壁へ飛び込んで行った。


数分間、私は瞬きをするのも忘れて荒れ狂う海を見つめていた。
青い海の中、銀色のボウケンシルバーの姿は見えない。
大丈夫かな?
溺れたりしてないよね?
私は両手を胸の前で握りしめ、じっと祈りながらボウケンシルバーを待つ。

ザバン!

一際高く舞い上がる波と共に、ボウケンシルバーが海から飛び出した。
「菜摘!」
ボウケンシルバーが私に目掛けて小さな『何か』を投げた。
手を伸ばしてキャッチすると、それはアクセルキー。
「やった!」
私は手を振り上げて喜んだ!
ボウケンシルバーはそのまま放物線を描き再び海の中へ。
やった!やった!やったね!
ボウケンシルバー最高!
サガスナイパー最高!!
この調子なら任せておいて大丈夫よね。
私はすっかり安心しきって崖の上に腰を下ろし、おねだりする子供のみたいに両足をパタパタさせてボウケンシルバーを待った。

そして数分後、さっきと同じように派手な波しぶきを上げてボウケンシルバーが海中から跳躍した。
もちろん、アンキロベイルスの首輪を手にキラリと光らせて。
颯爽とボウケンシルバーは崖を飛び越えて、こちらに飛んでくる ……。

559:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:13:53 kDBnFMa30
と思いきや。
突然、ボウケンシルバー身体が銀色の光を放った。

「うおぉーーーーーっ?!?!」

ボウケンシルバーが叫び、いや、何故か空中で元の姿に、ボウケンシルバーから映士に戻っていた。
崖の上まで後少しのところで、バランスを崩した映士は、そのまま真っ逆さまに海へ落ちて行った。

「映士?!映士ィーーーー!!」

一体どういうこと?
なんで変身解除するわけ!?
ううん。あの状況で解除って有り得ない。
いきなり強制終了されたって感じだった。
もしかして、これもロンの仕掛けだとか?
と、考えている間に映士の身体が波に飲まれていく。

ヤバイ!

思わず私は海にダイブ。
落ちていく途中、映士が変身していた時間を頭の中で素早く思い出す。
アンキロベイルスの元に辿り着いてから変身が解除されるまでの時間は10分ぐらいだった。
なら、私もそれぐらいは変身したままでいられるはず。
その間に映士と首輪を引き上げる。
「よし、激走!アクセルチェーーンジ!!」
着水寸前、私はアクセルキーをアクセルブレスに差し込みイエローレーサーへ変身した。


私は無事に変身出来たことに安堵しつつ、映士を探すために注意深く海の中を見回した。
だけど、海底を流れる激しい水流と、浮かび上がる大小様々な泡に、私の視界は奪われる。
(映士!どこ!?)
いない。

560:名無しより愛をこめて
09/02/08 23:14:16 CunQhbcH0
支援

561:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:15:49 kDBnFMa30
……海底の岩の間に嵌まってしまったのか。
いや、もしかしたらすでに浮上しているとか。
波に逆らいながらもう一度、上下左右ぐるっと視線を動かしてみる。
早く見つけなきゃ。
生身の人間が溺死するのにどれくらいの時間がかかるのか私には解らなかった。
波に消えた映士が、息を止めていられる限界はどれくらいだろう。
この流れの中じゃ、そんなに長く息を止めてはいられないと思う。
2、3分もあれば充分死んでしまうように思える。

こうしてる間にも映士が……。
私のせいだ。
私がアクセルキーを落としてなきゃ。
映士、アクセルキーなんか探してなきゃ、こんなことにならなかったのに。
私のせいでアンキロベイルスだけじゃなく、映士まで。

そう思うと涙がこぼれ、マスク越しの視界が余計悪くなる。
泣くな、私。
前が見えなくなるから。
私はパチンと目を瞬かせ涙を払った。

よく目を凝らすと、水流が渦巻く中心。
流れが緩やかな場所にキラキラ輝く光が見える。

ちょっと、待って……。あれは!?

ゆったりと流れに戯れる金の光……。

あれ、やっぱり!
金の光はアンキロベイルスの首輪。
そしてその先に、手足を大きく投げだし、漂う映士の姿を見つけた。

562:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:16:31 kDBnFMa30
私は猛然とその光に向かって泳ぎ進んだ。

すぐそこに映士が見えているのに、水流が邪魔をする。
泳いでも泳いでも距離が縮まらないように思う。
だけど、腕に渾身の力を込めて泳ぎ進んだ。
私の伸ばした手が映士に届きそうなところまで来た時。
身体がふっと軽くなった。
渦巻きの中心まで辿り着いたんだ。

私は映士の手を握って引き寄せる。
アンキロベイルスの首輪も、じゃれるようにこちらに流されて来た。
私は映士の両脇に腕を回し抱き、アンキロベイルスの首輪をしっかりと握り、海面に向かって浮上する。
暗い水の中で、アンキロベイルスの首輪の放つ光がキラキラ揺れていた。


海面を突き破って一気に空気の中に踊り出る。
映士を抱えたまま、僅か突き出た岩を足場に崖の上まで駆け上がった。
なるべく平らなところにそっと映士を寝かせ、呼吸を確かめる。
ダメだ。
息を、してない。
絶望的な思いが私を包んだ。

待って、待って、冷静になれ、私。
私は映士の心臓に手を当ててみたり、頬を叩いてみたりしながら考えた。

そうだ……。
こういう時ってアレだよね。

私は映士の顔を見つめた。
薄い唇が血の気を無くして紫に近い色に見える。

マウス・トゥ・マウス。だよね。

563:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:17:14 kDBnFMa30
一分どころか一秒を争うんだよね。

……あぁ。

一瞬、憂いが私を襲う。
でも、私のせいだ。
それに、これはキスじゃない。キスするわけじゃない。
人命救助なんだ。
と、思ったところでお誂えむきに、私の変身は解除された。

映士が死んでもいいの!?

私は自分を奮い起たせた。
映士の鼻を摘み、大きく息を吸い込む。

「映士、ごめん!」

なんで謝ってるのかよく解らなかったけど。
私は無我夢中で映士の唇に自分の唇を押し当て、遠慮なく息を吹き込んだ。



結果から言うと、私たちが戻った時、公園にもう壬琴はいなかった。
ビビデビも、もちろんいなかった。
映士はというと、あの後無事に息を吹き返し、今は私の横で悔しさを大地にぶつけている。
私はフツフツと込み上げる怒りに拳を握りしめ、壬琴が別れ際に私たちに向けた、やたらサディスティックな笑みを思い出しているところだ。

なるほどね。
最初からそういうつもりだったってわけ?
約束の時間まで、まだ1時間あったのに。
あんな思いまでして、やっと見つけて来たのに。

564:名無しより愛をこめて
09/02/08 23:17:21 lufuHFnR0
sien

565:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:18:33 kDBnFMa30
映士なんて、死にかけたのに。
壬琴、あなた、やってくれるじゃない……。

「映士!」
私は自分でもびっくりするくらいの大声で映士を呼んだ。
映士はビクッと肩を震わせて恐る恐る私を見た。
「座り込んでる場合じゃないでしょ!行くよ!!」
驚いてる映士の腕を掴んで、私は『ウメコ』の元へ走った。


【名前】高丘映士@轟轟戦隊ボウケンジャー
[時間軸]:Task42以降
[現在地]:J-7海岸 1日目 昼
[状態]:溺れた事による極度の疲労。2時間変身不可。
[装備]:ゴーゴーチェンジャー
[道具]:ボウケンチップ、知恵の実、不明(確認済) 、基本支給品一式(映士、小梅)
[思考]
基本行動方針:仲間と合流し、ロンを倒す。
第一行動方針:菜摘と共にウメコの元へ。
第二行動方針:ガイと決着を着ける。
※首輪をただ外すだけでは駄目だということに気付きました。


566:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:19:16 kDBnFMa30

【名前】志乃原菜摘@激走戦隊カーレンジャー
[時間軸]:最終回終了後
[現在地]:J-7海岸 1日目 昼
[状態]:軽い打撲、水中にいたため身体は疲労しています。
[装備]:アクセルブレス
[道具]:ダイノコマンダー@爆竜戦隊アバレンジャー、クロノチェンジャー@未来戦隊タイムレンジャー、キーボーン@特捜戦隊デカレンジャー、ゲキファン@獣拳戦隊ゲキレンジャー、アンキロベイルスの首輪、基本支給品一式
[思考]
基本方針:殺し合いには乗らない。仲間を集めて状況を打開したい。 ロンに負けない。
第一行動方針:映士とウメコの元へ。壬琴に怒り。
第二行動方針:仲間(陣内恭介・シグナルマン)を探す。
備考:ダイノハープがないため、アバレブラックへの変身はできません。また、菜摘が変身できるほどのダイノガッツがあるかは不明です。
 アクセルキーは見つかりました。変身制限に気が付きました。
※首輪をただ外すだけでは駄目だということに気付きました。

567:名無しより愛をこめて
09/02/08 23:20:50 lufuHFnR0



568:NATURAL BORN 姉御肌 ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:21:45 kDBnFMa30
以上投下終了です。
途中支援ありがとうございました。

指摘、矛盾、疑問点がありましたらお願い致します。
感想も頂ければ嬉しく思います。

遅くなり申し訳ありませんでした。

569:名無しより愛をこめて
09/02/08 23:40:16 lufuHFnR0
投下GJです!!
仲代先生逃げてー!超逃げてー!!怒りの姉御が追ってくるぞーw
実際は仲代先生にその気はないわけですが、この状況じゃ彼らの怒りも無理もないですねw
ある意味ピンチの仲代先生も含めて今後が楽しみですw
菜摘のアンキロへの想いの描写が切なかったです。GJ!!

それにしても、相変わらず菜摘は無謀というか、無茶というかw

570: ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:45:59 kDBnFMa30
さっそくの感想ありがとうございました。

自己申告にて修正をさせて頂きます。

>>554-555にかけての部分少し日本語がおかしいので

アンキロベイルスの首輪を探すには、まず場所の特定が肝心。
だけど、場所はそう心配じゃない。
映士が探してみせると言ったし、その手段を映士は持ってるから。
ただ一つ、私が心配なのは、首輪が拾えるところに落ちているか。
それによって結果が大きく変わってくる。

に修正します。
申し訳ありません。

571: ◆MGy4jd.pxY
09/02/08 23:50:23 kDBnFMa30
と、菜摘の状態表で『2時間変身不可。』が抜けておりました。
重ね重ね申し訳ありません。

572:名無しより愛をこめて
09/02/11 18:44:53 aOoCRuBg0
電線に鳩が二羽サンバ

573:名無しより愛をこめて
09/02/11 20:16:39 Gwv8u5FoO
鳩が二羽サンバ?
なにそれ?!ネガティブシンジケートの暗号?

574:名無しより愛をこめて
09/02/11 22:45:03 7ww5aIZzO

つ カーレンジャーED『天国サンバ』

575:名無しより愛をこめて
09/02/12 12:24:38 aD2nZTA+0
保守

576:名無しより愛をこめて
09/02/15 18:46:22 LMIWB6s00
したらばの参加者&アイテム紹介の人最近出ないな~。

577:名無しより愛をこめて
09/02/16 09:44:46 51RnlkZc0
まとめ更新GJです!
いつもありがとうございます。

578:名無しより愛をこめて
09/02/20 08:50:14 Tt+V3Xf0O
第2回放送も近いな。
まだまだ波乱がありそうだが……。

579:名無しより愛をこめて
09/02/20 16:39:58 WVqjvmBp0
少なくとも、一騒動はありそうですねー。
導火線に火がついてジリジリ進んでる感じがしてwktk

580:名無しより愛をこめて
09/02/23 19:48:35 H/xblAR3O
予約も楽しみ。

581:名無しより愛をこめて
09/02/24 21:36:14 074/479zO
>>580
楽しみですねー、ネジブルー、メガブルー(with次元獣)、ロンがどんな風に絡むのかな?

582:名無しより愛をこめて
09/02/26 08:47:11 NAaEZZ2mO
もう一本予約入りましたね!wktk

583:名無しより愛をこめて
09/02/27 22:53:58 E7AlQ8daO
>>582
楽しみですね!
ついにあの3人が!!とwktkが止まらない

584: ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:09:44 sM6XDsJR0
投下いたします。

585:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:10:27 sM6XDsJR0
 血と肉片が散らばる床から、さくらは血塗れの槍を手に取った。
 おそらくそれはフラビージョの装備だったものだろう。
 支給品の全てを破壊され、ズバーンに見捨てられたさくらには貴重な武器だ。
 落ち込んでいる暇などない。自分には確固たる目的がある。
 さくらはズバーンを一瞥すると、頭の中で地図を広げた。そして、自分が今、どの辺りにいるかを瞬時に把握する。
(さて、これからどこへ向かうべきでしょうか?)
 西と南は既に禁止エリアとなった。ならば、北か東。
 東はあと数分もしない内に禁止エリアと成り果てる。普通に考えれば北だ。
 だが、だからといって北へ向かえば、まだこのエリアにいる者、例えば、おぼろと鉢合わせる可能性が高い。
 ならば、危険を承知で東を抜けるべきか。
(ここで様子を見るというのは……ありえませんね)
 留まるという第3の選択肢をさくらは否定する。
(チーフはきっと都市部のどこかに居ます。留まったところで、チーフが私を見つける可能性はそれこそ0でしょう。
 行動しなくては、何も始まりません。一刻も早くチーフと合流するためには動くべきです)
 ロンに掛けられた暗示は惨めで見苦しい無様な死に様を晒すこと。特に相手は指定されていなかった。
 だが、二度目のロンの邂逅と、その心の奥底にある明石暁への強い執着心から、さくらは明石以外に死に様を晒そうとは思わなくなっていた。
(東にしましょう。一か八かですが、誰かを相手にするより、時間を相手にした方が幾分か楽そうです)
 さくらはスッと立ち上がると、東へと身体を向けた。時間を相手にする以上、これからの行動には俊敏さが求められる。
(……今、何か音が)
 しかし、さくらは周りの警戒を怠ってはいなかった。
 空気の震えを感じ、素早く物陰に身を隠すと、耳に全神経を集中させる。
(聞こえます。これは……足音。こちらに近づいて来ている?)
 おぼろか、グレイか、はたまたフラビージョを殺した殺戮者か。
 何にせよ今のさくらにとっては誰であろうと大した問題ではない。
(チーフと合流するまで、もう迂闊な接触は避けるべきですね)

586:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:10:59 sM6XDsJR0
 幸いにして、闖入者との距離はまだある。逃げるには充分な距離だ。
 だが、踏み出したさくらの足は一歩目で止まった。
「おい、誰かいるか!」
(こ、この声は……)
 さくらはその声に聞き覚えがあった。
(いえ、ありえません。そんな幸運。動かずとも、会えるなんて、そんなこと)
 可能性は限りなく低い。だが、実際に耳を震わせたその声を、自分が間違えるはずもないその声の主を疑う余地はない。
「チーフ!!」
 さくらの声に足音が刻むリズムの速度を増す。
 やがて、さくらの視界が声の主を捉えた。
 その姿は紛れもなくさくらが待ち望んだ男。赤のボウケンジャケットを身に纏った明石暁だった。
「さくら、無事だったのか!」
 笑顔で暁はさくらに駆け寄る。対して、さくらもわずかな距離を埋めるため、暁に駆け寄った。
 二人の距離が程なくして0になる。
「はい、チーフも無事のようで何よりです」
「ああ。しかし、この惨状は……」
「ええ、私が来た時にはもうこの状態でした」
 暁は眼前の光景にわずかに顔をしかめた。
「犠牲者は魔神クロノスとの戦いでクロノス側にいた巫女、フラビージョ。
 そして、おそらく手を下したのはメガブルーを呼び出そうとしていた放送の主でしょう」
「放送?そんなことがあったのか」
「そういえば、チーフはロンからの放送があった時点ではG2エリアでしたね」
 さくらは簡単にメガブルーを呼び出す放送のことを暁に伝える。
 そして、同時にお互いがどの時間軸から来ているのかの確認も行った。
「流石です、チーフ。既に時間軸の違いに気付いていたとは。
 すると、チーフは私がいた日時より、1ヶ月程後ということになりますね。
 それでチーフ、その間に共有すべき情報は……」
「さくら、ミッションはまだ継続中だ。情報交換は移動しながらでも出来る。先に進むぞ」
「それもそうですね」
 踵を返した暁に、さくらも移動の準備をする。

587:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:14:02 sM6XDsJR0
 そうは言っても、さくらの持ち物と言えば、槍ぐらいだが。
「さくら、ズバーンを取ってくれ」
「えっ」
「ズバーンだ。そこに落ちているだろう」
 さくらは暁に会えた喜びにすっかり失念していた。床に放置されているズバーンの存在を。
「どうした?」
 ズバーンを取りたいのは山々だが、さくらはズバーンには拒絶されている。
 おそらく、もう一度、取ろうとしても結果は一緒だろう。
「チーフ、ズバーンはチーフが持つべきです。私は―」
「俺は既に命令した」
 なんとか誤魔化そうとするさくらだったが、暁は背中を向けたまま、取り合おうとしない。
(……仕方ありません)
 チーフの命令は絶対。
 おずおずとさくらはズバーンに手を伸ばした。
「ぐっ!ああああーーっ!」
 ズバーンから発せられた電流がさくらの身体を駆け巡る。
 覚悟していた分、悲鳴を抑えることは出来たが、持つには至らず、すぐにその手を離してしまう。
「……やはりな」
 暁は振り向き、鋭い眼でさくらを捉える。
 さくらはその態度から、暁が目的を持って、自分にズバーンを拾わせたことを悟る。
 そう、冒険者たる暁がズバーンの宝石が黒ずんでいることを見逃すわけもなく、冒険者たるさくらがズバーンを拾わないことは普通ならありえない。
「はぁ、はぁ、はぁ…………チ、チーフ……」
「さくら、どうしてズバーンはお前を拒む?」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「答えろ、さくら!」
「………」
 さくらは槍を自分の咽喉元へと向ける。
「!」
「チーフ、私は殺し合いに乗りました。殺し合いに乗って、グレイというロボットを破壊しようとしました。
 クエスターを挑発し、殺そうとしましたが、返り討ちに合い、土下座して、靴を舐めて、命を乞いました」

588:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:16:20 sM6XDsJR0
「さくら―」
 暁が言葉を掛けようとしたのが見て取れた。おそらく慰めの言葉だろう。
 だが、さくらは口を噤まず、言葉を紡ぎ続ける。
「その後、蒼太くんに会いました。
 蒼太くんは半年以上前の蒼太くんだったみたいですけど、私が殺し合いに乗ったことを知っても許してくれました。
 でも、私はそんな蒼太くんを手にかけてしまいました。
 ズバーンに見捨てられるのも当然です。人を殺すことを躊躇わず、自分の保身のためには誇りさえ捨て、信じあえる仲間まで犠牲にしました。
 どうしようもなく惨めで、生きていることが無様です。だから、私は―」
「死んで、全てを精算するつもりか」
 さくらはわずかに頷き、肯定の意思を示すと、ゆっくりと眼を閉じた。
 瞳から一粒の涙が、零れ落ちる。
 最後にこの世で最も敬愛する男に看取られ死ねるのだ。悔いはない。むしろ、堕ちた自分には過ぎた最期だ。
「そうか、ならば死ねばいい。俺は止めない」
「―えっ」
 一度は閉じたさくらの眼が開かれた。
 命を失うことに躊躇いはない。もう覚悟はできた。例え、どんな慰めを受けようが、手を止めようとは思っていなかった。
 だが、暁の反応はさくらの常軌を逸していた。
「どうした、何を驚いている?お前が自分で決めたことだ。俺はそれを否定するつもりはない」
「チ……ーフ?」
 槍を握ったさくらの手が震えだす。
 仲間を信用しているといえば聞こえはいいが、何の反応も示さないのは違うのではないか。
 チーフにとって、自分は生きようが、死のうがどうでもいい存在だったのか。

(これじゃあ、私の死ぬ意味が)―これではサクラにした意味が―

 さくらの中で自分以外の誰かの声が聞こえた。
 腕が勝手に動き、咽喉元から槍が少しずつ離れていく。
「だが、それは自分で決めたことなのか?」
「えっ」
 気付けば、暁はさくらの眼前へと移動していた。

589:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:18:22 sM6XDsJR0
 そして、その直後、さくらは腹に重い拳の一撃が入ったのを感じた。
「………!」
 声にならない悲鳴を上げ、さくらの意識はゆっくりと闇へと沈んでいった。



 目蓋を閉じても、太陽は容赦なく、瞳に光を届ける。
「ぅぅっ、私は……一体……」
 さくらが意識を取り戻すと、そこは太陽の光に照らされた芝生の上だった。
 自殺するため、自らに槍を向けたところまでは覚えているが、そこから後がどうにもはっきりしない。
「気がつきました?」
「チーフ!」
 掛けられた声に、さくらは反射的に名前を読んだ。
 だが、見れば、またもそこには予想外の人物の姿があった。
「蒼太くん!あなた、生きて……いえ、それよりチーフは!」
「僕が生きてたことより、チーフですか。傷つくなぁ」
 軽口を叩く蒼太をキッと睨みつける。
 そんなさくらに、蒼太はやれやれと大げさなアクションを取ると、さくらの後方を指し示した。
「チーフなら、あそこにいますよ。……あそこで倒れているのがチーフです」
 さくらから数メートル先。身を伏している赤いボウケンジャケットを纏った男。
 さくらは息を飲むと同時に男へと駆け寄り、その身を抱き起こした。
「っ!」
 男は紛れもなく暁だった。さくらが間違えるはずもない。
 ただその状態は先程とはまったく違っていた。
 彼のジャケットは腹部を中心に、染料とは違うものでより真っ赤に染まっていた。
 顔は血色を失い、じわりとした汗で湿っている。
 息はあるものの注意しなければわからないほど微かだ。
「そんな、チーフ……」

590:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:19:56 sM6XDsJR0
「危ないところでした。さくらさんを抱きかかえてタワーから出てくるチーフを見つけましてね。
 何をするかと思えば、ナイフを振りかざし、さくらさんを切り裂こうと。
 それで僕は已む無く、チーフを―」
「嘘、嘘です!」
 必死に首を振るさくらを、嬉しそうに見下ろす蒼太。
「そう嘘です。チーフが殺し合いに乗るなんて考えられません。だから、それは表向きの理由ですよ。
 本当はさくらさんを介抱していたチーフの隙を突いただけです。
 あっけなかったですよ。これがあの不滅の牙かと思うほどね」
「なぜそんなことを」
「決まってるじゃないですか。殺し合いに乗ったからですよ。これを見てください」
 蒼太は服を捲り、自らの腹を見せる。
 そこには深くナイフで刺されたような傷痕があった。
 それはさくらがその手で付けた傷に間違いない。
「あの後、ロンが現れて、殺し合いを円滑に進めるという条件で不死の薬というプレシャスを僕にくれましたよ。
 そのおかげでなんとか一命を取り留めることができました。
 で、気づいたわけです。さくらさんもロンの甘言を受けて、殺し合いに乗った。だから、僕を刺した。違いますか?」
「私は違う!」
「違う?何が違うんですか。なら、目的を言えますか?殺し合いに乗った目的を」
「も…く…てき?………わたしのもくてき、目的は……」
「もう誤魔化すのはなしにしましょう」
 さくらは必死に考える。考えるが―
(わからない)
 ―何も思い浮かばなかった。
 それも当然と言える。所詮はロンに無理矢理植えつけられた思考。
 論理的に考えていけば、最終的には矛盾に行き当たる。
 何より、当の暁の命は風前の灯。更に蒼太はロンに下ったとなれば、ここで死ぬ理由もない。
(わからない)
 さくらは頭を垂れる。ふと、チーフの顔が目に入った。
 チーフは苦しげな表情を浮かべつつ、何事かを必死に囁いていた。
 さくらは耳を近づけ、その言葉を聞く。

591:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:22:56 sM6XDsJR0
「さくら……お前の…目的は…………自分で決めろ」
(チーフ……)
 さくらは自分の中で何かがぱっと弾けたような気がした。
 思い出されるのは暁と初めて出会った日のこと。
 サージェスへの加入を渋る自分に、暁は誰にでも自分だけの宝があり、それは自分で見つけるしかないと説いた。
 自分だけの宝を一緒に見つけようと言ってくれた。
 それは本当にしたいことを見つけれず、迷走していた自分にとって、方位磁石を与えてくれたようなものだった。
 そして、今も暁は自分が進むべき方向を示そうとしてくれている。 
「思い出しました」
「え?」
「思い出したんです。私の目的を。そう、チーフ。チーフに、私の見苦しく惨めな死に様を晒すこと。それが私の目的。
 ここに連れてこられた時、ロンにそう暗示をかけられたんですよ。
 だから私はあなたを挑発し、チーフの眼の前で殺されようと企んだ。もっともそれは失敗してしまいましたがね」
 さくらはチーフを地面にゆっくりと下ろすと、立ち上がり、蒼太を正面から見据えた。
「なるほど。チーフが死ぬ前に僕に殺されようというわけですか」
「いいえ、もうそのつもりはありません」
 そう、他人に命令された道を歩くつもりはない。
「それじゃあ、チーフの仇を討つために僕を殺す?」
「確かにチーフを刺したあなたは憎い。ですが、元を糺せば私が原因です。そのつもりもありません」
 手を血に染める必要などない
「だったら、どうするんですか」
「勿論、ロンを倒します。全ての元凶を倒し、元の世界に戻り、冒険を続けます」
「ふっ、流石さくらさんだ」
 さくらの決意に蒼太は笑みを浮かべると、暁へと近づく。
「何をする気ですか!」
「種明かしですよ」

592:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:24:37 sM6XDsJR0
 蒼太は懐から不死の薬を取り出すと、暁の傷口に近づけた。



「つまり、全てチーフの作戦だったわけですか」
「そうだ。最初から順番に話そう」
 町を歩く、暁、さくら、蒼太の三人。
 暁は多少、ペースは遅いもののその歩みはしっかりとしたものだった。
 さくらはいつでも支えられるように暁に寄り添っている。
 そして、蒼太は二人の傍らで自分が来た時間軸より後に造られることになるアクセルテクターを興味深げに見つめていた。
「アクセルテクターを戻したときから異変には気付いていた。アクセルテクターは熱され、銃弾のような傷が付いていたからな。
 おそらく戦闘が起こり、ディパックを燃やされる事態。つまり、命に関わる事態が起こったと俺は予想した。
 それが誰の身に起こったことかはわからなかったが、俺は戦闘が起こった場所を重点的に捜索することにした」
「だから、あんなところまで捜索に」
「そうだ。そして、さくらの言葉から窮地に陥ったのがさくらだということに気づいた。
 同時にズバーンが放置されている意味にも」
「そう、ずっと気になっていたんですよ。チーフはズバーンのおかげでさくらさんが操られていることに気付いたって、言っていたけど。
 僕はズバーンの存在を知らないし、その剣でどうやってわかったが疑問で」
 蒼太はさくらが持つズバーンを指し示す。
 宝玉こそ光を失ったままだったが、さくらに危害を与える気配はない。
「ズバーンは悪しき心の持ち主を拒み、正しき魂の者にだけ扱える。だが、それだけでさくらが放置する理由にはならない。
 扱えないというだけで、持つことは誰にでもできるんだ。それなのに、さくらは拾うことすら出来なかった。
 それは何故か。ズバーンは教えてくれたんだ。今のさくらに悪しきモノが宿っていることをな」
「なるほど。で、合流した僕を使って、さくらさんが自我を意識するように仕向けたわけだ」
「でも、チーフ、流石に無茶が過ぎます。もし、私が正気に戻らなかったら、チーフは死んでいたかも知れないんですよ」
 自分のためとはいえ、さくらとしては一発、腹を殴りたい気分だ。流石に命にかかわるので、本気でやる気はないが。

593:サクラチル ◆i1BeVxv./w
09/03/01 17:26:30 sM6XDsJR0
「血のりや苦しそうな演技だけでは直ぐに見抜かれると思ったんでな。それに蒼太から不死の薬があることは聞いていた。
 そして、何より、西堀さくらはロンには負けたりしない。そう信じていたから俺も命を賭けることができたんだ」
「チーフ」
「まあ、これも―」
「それも……ちょっとした冒険というやつですか?」
 暁の言葉に、他の誰かの言葉が重ねられる。
 三人の前に現れる金色の靄。
「「ロン!」」
「おやおや、主催者直々のお出ましとは、光栄の極みだ」
「ふん、その余裕、気に入りませんね」
 余裕の笑みを浮かべる暁を、ロンは憎々しげに見つめる。
「確かに西堀さくらの洗脳を解いたのは見事でした。が、それでこのゲームが終わったわけではありません。
 それに正直な話、もう解いてもいいかなと思っていたところです。
 元々、彼女を洗脳下に置いたのはあなたが驚愕し、絶望する表情を見たかったからですからね」
「洗脳を解いたのは俺の力ではない。さくら自身の力だ。俺も、俺の信じる仲間もお前には負けはしない!」
「クククッ、随分と威勢がいい言葉だ。伊能真墨が死んだと聞いたとき、あなたはどんな顔をしましたかね?」
 ロンの台詞に今度は暁の顔が激しい怒りの表情に変わった。
「フフッ、いい顔です。私は貴方のそんな顔が見たいのですよ。
 仲間を信じるのも結構ですが、果たしてそんなこと、いつまで言っていられますかね?
 あなたは知らないでしょ。あなたの仲間たちが今、どんな状況に置かれているかを。
 ある者は息絶え、ある者は手を血に染める。そんな様を見たとしてもあなたは―」
「生き返らせてもらうさ。お前をにはその力があるんだろ?
 お前を倒し、死んだ全ての参加者を生き返らせる。それが俺の望みだ!」
「ふぅ、どうやらこれ以上話しても無駄のようですね」
 薄く笑い、再び、金色の靄となり、消えるロン。
 強く拳を握り締める暁。
 定時放送が始まったのはそれから直ぐのことだった。


594:サクラチル ◇i1BeVxv./wの代理投下
09/03/01 18:58:38 +GPqElRA0
【名前】明石暁@轟轟戦隊ボウケンジャー
[時間軸]:Task46後
[現在地]:F-5都市 1日目 昼
[状態]:下腹に刺し傷(不死の薬の効果により回復中)
[装備]:アクセルラー@轟轟戦隊ボウケンジャー、スコープショット@轟轟戦隊ボウケンジャー
[道具]:ラン様カード@爆竜戦隊アバレンジャー
[思考]
基本方針:ミッションの達成(仲間と合流し、脱出する)
第一行動方針:仲間をこれ以上死なせない。
第二行動方針:ロンを倒し、仲間を生き返らせる。
※首輪の制限と時間軸のずれを知っています。

【名前】西堀さくら@轟轟戦隊ボウケンジャー
[時間軸]:Task42以降
[現在地]:F-5都市 1日目 昼
[状態]:健康
[装備]:アクセルラー(損壊、要修理)。聖剣ズバーン@轟轟戦隊ボウケンジャー
[道具]:なし
[思考]
基本行動方針:仲間と合流し、ここから脱出する。
第一行動方針:明石暁と共に行動する。
※首輪の制限と時間軸のずれを知っています。




595:サクラチル ◇i1BeVxv./wの代理投下
09/03/01 18:59:56 +GPqElRA0
【最上蒼太@轟轟戦隊ボウケンジャー】
[時間軸]:Task.3、後
[現在地]:F-5都市 1日目 昼
[状態]:下腹に刺し傷(不死の薬の効果により回復中)
[装備]:アクセルラー@轟轟戦隊ボウケンジャー、スコープショット@轟轟戦隊ボウケンジャー、ヒュプノピアス@未来戦隊タイムレンジャー
[道具]:アクセルテクター@轟轟戦隊ボウケンジャー 、バリサンダー@忍風戦隊ハリケンジャー、支給品一式
[思考]
基本行動方針:ミッションの達成(首輪解除・脱出・ロンの打倒)
第一行動方針:目的を果たす為、ロンの出した条件を飲む(あまり積極的ではない)
※首輪の制限と時間軸のずれを知っています。


430 :サクラチル ◆i1BeVxv./w:2009/03/01(日) 17:34:00
投下終了。
誤字、脱字、矛盾点他指摘事項。ご感想があればよろしくお願いします。





596:名無しより愛をこめて
09/03/01 19:06:48 +GPqElRA0
投下乙です。
そしてGJでした。
チーフかっこえーっと思ったところで、蒼太マーダー化キター!!!!
と言うドキドキを見事にひっくり返してくれました。
時間軸の処理も違和感なくさすがでした。
面白かったです。

597:名無しより愛をこめて
09/03/01 19:35:21 N93O1z300
投下&代理投下GJ!!です
チーフ無茶過ぎるーーー!!流石、熱き冒険者だ!
題名でドキドキ、自殺しようとするさくらさんにハラハラ、まさかの蒼太さんマーダー化!?と、
次から次へと繰り広げられる展開に惹き込まれました。
このまま墜ちるばかりかと思われたさくらさんを救いあげた、チーフと蒼太さんの連携と、チーフの無茶が格好良すぎます。
面白かったー!もう一度GJ!です。

それにしても、ロンの悔しそうな顔が目に浮かぶw

598:名無しより愛をこめて
09/03/05 04:33:16 N7DpFaYtO
いつも更新乙です。

599:名無しより愛をこめて
09/03/05 17:55:01 jFmYigCO0
チーフ&蒼太は最強コンビって感じだな。
ボウケン本編でこの二人メインが無かったのもうなずける。
有能すぎて逆に話が作りにくい。


600:名無しより愛をこめて
09/03/05 21:22:01 0dwgZCz+0
でも、蒼太の心理描写は一切ないんだぜ。これがな。

601:名無しより愛をこめて
09/03/05 22:01:28 +1/TnbSDO
>>600
うぉ!今気付いた。すげーw

実は……って事もあり得る訳か!

602:名無しより愛をこめて
09/03/09 20:12:56 fF1gIfA6O



603:名無しより愛をこめて
09/03/09 20:28:43 fF1gIfA6O
>>600
言われるまで気が付かなかったなあ。
相変わらず、描写が巧みだ。
予約も楽しみ。


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