08/12/18 18:34:53 Bs/eMplR0
(待て……? ドモンの大切な人って……)
─森山ホナミ。ドモンの恋人だ。
「ロン!! お前、ホナミさんに何をした!?」
ロンは内心笑っていた。森山ホナミ……? 関係ない。彼はそんな女の事を知らないのだから。あれだけ愛していた女の事も知らずに、別の女性のために戦っているのだから。
つい、それが顔に出てしまう。
「ロンッ!! 何を笑っているんだ!!」
「ククッ……ちょっと面白い事を思い出しましてね……」
「面白いこと……ッ!?」
「彼は別の女性のために戦っている。彼の愛など、所詮その程度のものだったということでしょう……」
竜也は愕然とした。ホナミはドモンが人生の中で最も愛した女なのではないかと思う。もしかしたら二人が妊娠しているんじゃないかと思うこともあった。
ドモンが、ホナミを裏切るはずがない。
「そんなはずはない!!」
「彼が愛したのは小津深雪……広間で死んだ小津勇の妻ですよ……」
ロンは笑いながら金の光の中へ消えてしまった。いくらドモンとはいえ、ホナミを捨てて、しかも人妻に乗り換えるなんて有り得ない。
ロンの代わりに、テディベアが竜也を見つめている。体中が汗にまみれていて気持ちが悪い。そこに、ブクラテスはいない。人の気配はなかった。
344 :友への不信 ◆LwcaJhJVmo:2008/12/18(木) 16:20:16
─菜月はね、悲しいなって思ったの。殺し合いを始めた誰かがいるんだってことが……─
(ゴメン、それは俺の仲間かもしれない……)
どこかで、ロンがくすっと笑ったのは言うまでもない。