08/11/05 04:26:31 9A3ycarF0
ネジビザールは自分のディパックの中身が美希の手によって、すり替えられていることに気付いていた。
美希がテルミット弾を使って、爆発を引き起こしたのも知っている。美希が自分とメガブルーたちとの同士討ちを狙って、協力したこともだ。
にも関わらず彼が美希を自由にさせておいたのは、面白そうだったからの一言につきる。
策士を気取っている奴の鼻っ柱を叩き折るのは中々の快感だ。今回もここぞというタイミングで種明かしをし、美希を切り刻んでやるつもりだった。
ただ残念なことに美希はどこかに言ってしまったが。
「まあそれはいいや~。さて、バイクの代わりに何を入れてくれたのかな?」
一頻り、身体を拭き終えたネジビザールは自らのディパックの確認を始めた。
中には血の付いた忍者刀と首輪。そして―
「名簿?……………へぇ~、これはこれは。ヒャハハハハッ!いいね~、バイクと交換にしては充分過ぎるものだよ」
その名簿には参加者たちの写真や性格、思考が詳細に書かれていた。勿論、自分のものもある。
なるほど、これを見ていたから、自分と交渉しようと思ったわけだ。
だが、そんなことがどうでもよくなるほど、あることが記載された名簿の1ページはネジビザールを激しく興奮させた。
「こいつが、こいつが、こいつが、メガブルー、メガブルー、メガブルゥゥゥゥーーーーーなんだねぇぇぇぇ!」
参加者の一人、並木瞬のページ。
そこには彼の写真と共に、はっきりと彼がメガブルーであることが書かれていた。
「フフフフフフフフフフフフッ!!!ヒャハハハハハハハッ!!!意外と二枚目じゃないか。この綺麗な顔が苦痛に歪むと思うと………フヒャハハハハッ!フヒャハハハハッ!ゲヒャッ!」
ネジビザールは笑った。それこそ、呼吸ができなくなるほどに。笑い死にしそうなほど。
「ウヒャハハッハハッハハッ!ウヒャハハッハハッハハッ!」
笑って
「フヒフヒウヒヒヒヒヒヒッ!グヒフヒウヒヒヒヒヒヒッ!」
笑って
「GYAHAHAHAHAHAHAHHAHARAHAHHAAAAAAAAAAAAA!!!」
笑った。
▽
「10時ピッタリだね」
ネジビザールは今しがた禁止エリアになったG-5エリアを抜け、H-5エリアへと入った。
「笑いすぎて危うく間に合わないところだったよ」