08/06/18 10:43:46 ELgkV8qLO
今回は修飾について。修飾の留意点は、重複と順序にある。まずは文字や意味がダブる重複から。
>黒いマントに身を包んだ全身黒ずくめの戦闘員、ギゾルであった。
・黒と身が重複。マントの下のスーツも黒という意識なのかもしれないが、そんなもん分からん。
加えて、先に「数十の黒い人の姿をした「何か」」という描写が存在するため、読者は黒色であることを既に了解しているはず。
例→「黒マントの戦闘員」または「黒い全身タイツに同色のマントを羽織った戦闘員」
・最初は「黒い」で良いが、何度もそれでは芸がない。漆黒、ブラックなど表現の研究を怠らないこと。類語辞典を活用する手もある。
・ついでだが、“戦闘員”で説明を許してもらえるのを当然と思わないように。
次に順序。形状、色彩、数、観念(美醜や善悪)、比喩、所有など、入れ替えて分かりやすくなる順番を試してみて欲しい。
>数十の黒い人の姿をした「何か」
・特にこの場合、「数十の」「黒い」「人の姿をした」が全て「「何か」」に掛かるのだが、「黒い人」がワンセットに見える。下手をすると「数十の黒い人」の群体生物に。
「人の姿をした」自体が比較的長いので纏まりを絞りにくいのも一因。「人型の」なら順序そのままでもまだ読めなくはない。
・「数十の」の扱いは難しいが、この位置では修飾先と離れすぎ。といって「何か」の直前では他が霞む。よって分離。
→「人の姿をした黒い「何か」が数十」
・一つの文に全てを捩込む必要はない。長いとミスも出やすくなる。
・お約束に則り「人型」はいちいち直接断らなくていい場合もある。
・「何か」と謎めかしたために、読者の認識が人型から外れているるとも言える。仮に「何か」を「人影」にしてみると、後から人型を強調する必要は消える。
例→市民達に襲い掛かる地獄の軍勢。その兵数は、三十を優に超えている。