08/06/02 23:30:52 EzI7x3/H0
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シュリケンジャーはデイバックから取り出した白衣の切れ端で、爛れた七海の顔をそっと隠した。
「七海……あの時、キラ・コローネは倒したはずだったのに……生命の復活か、ロンが広間で言ったのはあながち嘘じゃなかったわけだ」
キラ・コローネを復活し、七海をもう一度香水にした。
人知れず参加者を集め、命までも操る。
とんでもない奴を相手している、そう思うと背中に薄ら寒い物を感じる。
森の奥から衝撃音が聞こえた。
だがシュリケンジャーは振り返ろうともせず、考え倦ねいていた。
ジャカンジャの地球侵攻の理由である『アレ』を出現させるわけにはいかない。
このままおぼろだけを連れて帰ったとして、七海の抜けた穴をどうする。
そうでなくとも、未熟な戦士たち。一人といえども戦力を欠いたままでは、地球の未来が、人類の存亡が危うくなる。
かといって、殺し合いに乗るならば、おぼろを含めた参加者全員を殺さなければならない。
だが最終決戦に、おぼろと七海の二人は絶対に欠かせない。
ならば、シュリケンジャーの選ぶ道は一つ。
殺し合いに乗る。
このバトルロワイヤルに勝ち残り、おぼろと七海を生き返らせ、五体満足で帰還させる。
もし、二人生き返らせるのが無理ならば、アレを消滅させるよう願い、地球を救えば……
二人の死は、無駄にはならない。
顔を捨て名を捨て、影となりて敵を討つ。
それが忍者の定め。
地球を、未来を、御前様を護る為ならば、たとえどんなに誤った選択だとしても、どれほど己の手が血で汚れようとも、使命を全うする。
ニンジャオブニンジャ、シュリケンジャーの選んだ道なのだから。