08/06/14 00:14:52 Q/3sMbKy0
両手を握り不安げに呟いた。
「一体どういう事なのだ」
「察しつかぬか、 我らに架せられしこの首輪に仕掛けがあると……」
ティターンは首輪をさすった。ジルフィーザは頷き言葉を続けた。
「能力を封じ込めば、力なき人間でさえも我らを縊り殺す事が出来る……
急がねば。竜族の血を引くと言え、ドロップはまだ赤子なのだ」
ジルフィーザはティターンを一瞥すると背を向けた。
「待て!俺も一緒に行こう。
赤子とあらば、捨ておくなど出来ない 。俺の見知った者たちもいる 。 その者たちの手を借りれば早い。
無論赤子に刃を向けるような真似などしない」
弟を思う、ジルフィーザは命の重さを知っている。
支え合う思いは繋がっていくのだ。
「好きにするがいい」
ジルフィーザは振り返りもせず先を行く。
ティターンは出しかけた右手やり場に少し困ったが、共に歩くマーフィの頭を撫でジルフィーザ後に付いた。
『握手をすると友達になれる』
芳香とオニイチャンの声を、頭の中で辿りながら。