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埼玉新聞 - さきたま抄
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日本で生まれ育った蕨市のフィリピン人中学一年生カルデロン・のり子さん(13)にとっては過酷な決定だ。
東京入国管理局は両親に対し、九日までに帰国日を決めない限り、身柄収容を含む強制退去手続きに
入ると伝えた。のり子さんには在留特別許可を与える方針だが、経済的支えもない少女に親と別れろとは、
かたくなすぎないか
▼父は十六年、母は十七年の違法滞在で、強制退去の対象者。ただ近年、入管難民法の実際の運用では、
日本人と結婚したり、日本人との間に子を持つ違法滞在者には在留特別許可を与えてきた
▼しかし違法滞在者同士のカップルでは、摘発時点で子どもの学齢が中学生以上などの例外を除き、壁は
厚い。のり子さんは母の摘発時に小学五年だったため、訴訟でも許可されなかった
▼一家三人の特別許可を求める支援者らが集めた署名は二万人を超え、蕨市議会も同趣旨の法相向け
意見書を全会一致で可決した。親子が地域で生きてきた証しだろう
▼日本の入管行政は、婚姻や親子関係で「日本人の血統」を引き継ぐ人には寛容だが、人権への配慮や
多文化共生の視点が不十分だ
▼社会のまなざしも温かいとは言えず、この問題では「在日特権を許さない市民の会」という団体が入管前で
「即刻強制送還を」と訴えている。人口減が始まった日本が移民受け入れを検討する日はいずれ来るはずなのに。
- 2009年3月6日付本紙