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(>>1のつづき)
政府が北朝鮮の弾道ミサイル発射に合わせた制裁強化の方針を固めた背景には、
「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を一番受けるのは日本」(外務省筋)という安全保障上の要請や、
拉致問題が一向に進展しない現状がある。
北朝鮮関連団体の資産凍結や輸出制限はすでに厳しい制裁措置を科してきた日本にとって
「数少ないカード」(政府筋)だ。
日本の毅然(きぜん)とした姿勢を国内外にアピールし、国際的な対北包囲網を再構築する狙いもある。
「北朝鮮は国連の安保理決議違反だけでなく、日本を無視し、拉致問題に関する約束も守っていない。
仮にミサイルを撃てば『行動対行動』だ」
政府筋の一人は追加制裁の目的について、こう説明する。昨年8月の日朝公式実務者協議で合意した
拉致被害者の再調査は実行されない一方で、米国が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除してしまった
現在、日本は独自の対応を迫られているという事情もある。
オバマ新政権の対北朝鮮政策はまだ明確でないが、「米朝直接対話と6カ国協議の両輪で進める」
(米政府関係者)とみられる。
日本としては国際的にも非難される弾道ミサイル発射を機に制裁措置を強化することで、米国や韓国など
関係国の対北政策をリードしたい思惑もある。
政府内の一部には、今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射準備について、「北朝鮮は、日本方面にミサイルを
撃つというバカなことはしない」(外務省幹部)とたかをくくり、圧力強化に消極的な意見もある。
しかし、北朝鮮が平成10年8月に発射した「テポドン」は三陸沖の太平洋に着弾。18年7月に
「テポドン2号」など計7発を発射したときには日本海に着弾しており、弾道ミサイルの脅威を日本が
強く受けていることは紛れもない事実だ。
日本国内から、北朝鮮の核・ミサイル開発に転用可能な部品や装置などの不正輸出が継続的に
行われてきた実態もあり、追加制裁の必要性は以前から指摘されてきた。制裁強化には拉致問題の
進展を北朝鮮に迫る効果も期待できそうだ。(以上)