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・東京都足立区に住むインド国籍のサニー・アマルさん(45)の長女で小学六年のコーマルさん
(12)が今月、都内の私立中学校に合格した。バレーボール部への入部も決まり、入学式を
心待ちにするが、校門をくぐれるかは分からない。一家は不法残留で強制退去処分を受け
現在は退去が猶予されている仮放免の身だからだ。
アマルさんは一九九三年、妻(45)と短期ビザで入国。期限切れ後の不法滞在中、コーマルさんと
長男(15)、次男(9)の三人の子どもが生まれた。夫妻は小学校のPTA役員を務め、地域の
ボランティア活動にも積極的に参加してきた。
コーマルさんが地元のスポーツ少年団でバレーボールを始めたのは小二の時。友だちに
誘われたのがきっかけだが、一七七センチの長身と持ち前の身体能力を武器に頭角を現し、
昨年は都大会に出場。強力なスパイクが注目された。
合格した中学校のバレーボール部は今春に新設されるが、系列高校は関東大会の出場校。
中学チーム強化を目指す学校関係者は、コーマルさんの入部に熱い視線を送る。
コーマルさんの夢はプロのバレーボール選手。夢に近づく第一歩となる合格に、コーマルさんは
「泣きたくなるくらいうれしかった。練習が厳しくても頑張ってエースを目指す」と瞳を輝かせる。
しかし、希望が膨らむにつれ、強制退去への恐怖も大きくなる。退去処分の取り消しを求めて
起こした訴訟は昨年、最高裁で敗訴が確定。仮放免中の一家は、身柄の収容が一時的に停止
されているにすぎない。入国管理局への毎月一回の出頭を義務付けられ、いつ収容されても
おかしくない状況が続く。
コーマルさんは今月十日、家族とともに出頭し「合格したのにインドへ帰りたくありません。私のたった
一つのお願いです」と記した法務大臣あての手紙を提出した。
「中学合格が家族全員の滞在につながってほしい」と祈るコーマルさん。一家の残留を求める
嘆願書は一万一千人分を超えた。(一部略)
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