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・香川県立中央病院(高松市)で不妊治療中の女性Aさんに、別の女性患者Bさんの受精卵を
移植した可能性があるとして人工妊娠中絶した問題で、病院側がBさんに対し、中絶から
2カ月後の今年1月になって、取り違えなどの事情を初めて説明したことがわかった。
松本祐蔵院長らが20日未明に取材に応じた。松本院長は「事前に説明して結論などが
出なければ妊娠が継続され、Aさんの負担が増すと判断した」としている。
また同病院は中絶後も、取り違えが本当だったのかどうかDNA鑑定などによる最終確認を
行っていなかった。松本院長は「中絶後の状態からは、調査をするのは不可能だった」と
説明している。
松本院長らによると、Aさんは昨年11月中旬に人工妊娠中絶したが、病院側はこの時点で、
Bさんに事情を説明したり中絶の是非を相談したりしていなかった。中絶を伝えたのは今年
1月になってからで、Bさんは「残念だった」と言ったという。松本院長らは「中絶の判断に
影響を及ぼすのでAさんの家族がBさんに伝えるのを望まなかった」と説明している。
一方、一連の体外受精の作業をした担当医の川田清弥医師(61)について、同病院の
米沢優・産婦人科主任部長は「受精卵操作を1人でやる機会は今回だけではなかった。
(受精卵などを取り扱う)胚(はい)培養士が立ち会うより、川田医師1人での作業が多かった。
土日は1人。平日もほぼ毎日、受精卵を操作していた」と明らかにした。
また、Aさん夫婦に対しては、川田医師と産婦人科主任部長、臨床心理士ら4人が昨年
11月7日に病院の外来で受精卵の取り違えの可能性を説明した。面会の場になって初めて
取り違えの可能性を知らされたAさんは「新しい命なのに産めないんだな」と涙を見せたという。
また、翌日に改めて病院で川田医師と部長ら計5人がAさん夫婦、夫婦の母親2人の
計4人に説明。母親は「信頼していたのに裏切られた」「川田医師の顔も見たくない」と
強い口調で抗議したという。
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