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★首相憔悴 盟友・中川氏辞任で涙目
・中川前財務・金融相が閣外に去り、麻生首相が憔悴(しょうすい)している。政権運営上の痛手に
とどまらず、信頼しきった「盟友」を失った精神的なダメージが大きいようだ。
「厳しい決断を自分でされた。意思を尊重したい」。中川氏の辞任表明直後、記者団とのやりとりで、
首相に覇気はなく、目は潤んでいた。
首相は、自民党政調会長や経済産業相を歴任した中川氏の政策面の力量を信頼していた。
ただ、首相にとっては、「お友達」としての存在の方が大きかった。福岡の財閥の長男として生まれた
首相は「金目当てに近寄ってくる人間も多い。他人を簡単に信頼するな」と育てられたという。
同じ世襲議員で政治思想も似ていた中川氏は数少ない心を許せる友人だった。
かつて中川氏は、麻生氏の会合で「こんな下品な会合は初めてだ」とあいさつしたことがある。
痛烈なユーモアを好む首相の性格を知り尽くした発言に、周辺は「麻生のことをよくわかっている」。
首相は、自分が小泉元首相の下で首相候補になったのと同じように、中川氏を引き立てようとした。
腰痛に苦しむ中川氏を「休んでいい。手術でも何でもしろ」と何度も気遣った。今回の問題でも、
首相は当初、「絶対に中川を守る」と周囲に語っていた。
しかし、予算審議への影響を危惧(きぐ)した大島理森国会対策委員長が中川氏に辞任を促し、
流れが決まった。19日の衆院予算委員会で経緯の説明を求められることになった首相は、
18日、側近の大島氏に珍しく怒りをぶつけた。「なぜ中川が辞めたのに、予算委に出なくては
いけないんだ」
その19日の予算委では、17日には「特にない」と否定していた中川氏辞任の政権への影響を
こうこぼした。「政権の印象を悪くした。全然影響がなかったなんて、言うつもりはない」(蔵前勝久)
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