09/02/19 12:57:07 0
発信箱:「何となく」と「無責任」=与良正男(論説室)
「何となく」と「基本的には」と「いわゆる」が麻生太郎首相の口癖だ。
いずれも物事をアバウトにくくり、具体論には踏み込まないといった時に
使いたくなる言葉ではなかろうか。べらんめえ調で一見、強気そうだが、
かねて私はそこに首相の自信のなさを感じてきた。
特に気になるのは官僚が事前に用意したペーパーだけでは通用しない
国会の委員会での答弁だ。あまり報道されないが、多少複雑な社会保障などの
論議の際、首相は「基本的には……」などを連発して大ざっぱな答えはするが、
具体的に突っ込まれると「あなたは何を聞こうとしているのか」と
時におどおどした表情を見せることさえある。
「基本」を外してくれなければいいとは思う。が、「どうも首相は政策そのものの
理解度が足りないのでは」と、こちらも不安になってしまうのだ。
先日、麻生首相は自民党の研修会であいさつし、自身を「何となく評判が悪い」と
語ったそうだ。自虐ギャグのつもりかもしれないが、
もちろん、もはやギャグにする時期は過ぎた。
なぜ、評判が悪いのか。一番の理由は郵政民営化見直し発言を見るように
自らの立場を忘れたような無責任さだと思う。
「もうろう会見」で世界に醜態をさらした中川昭一氏もしかり。
いや、「何となく人気がありそう」と麻生首相を選びながら、
評判が悪くなると「私は賛成でなかった」とひょう変する
自民党全体が著しく責任感を欠いているといえるかもしれぬ。
今度の中川氏の辞任劇を見ると、政権自体がしどろもどろ状態。
何となくではなく今の与党にはもう政権担当能力がないのでは、と私は思っている。
URLリンク(mainichi.jp)