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「酩酊会見の真実」
一通りの公式行事をこなし、最後の昼食会に臨んだ中川は、やっと安堵感に包
まれた。と同時に、酒好きの中川には昼食に添えられたワインでは物足りなく
感じられた。そこで気心の知れた玉木局長に「打ち上げを兼ねて別室で飲まな
いか」と持ちかけた。玉木に対する慰労の気持ちもあったのだろう。
昼食の後には会見が控えていることは玉木も分かっていたが、少しであればと
了承し、2人して昼食会を中座することとなった。この時、テーブルにあった
ワインはほとんど飲んでいなかったので、帰国後の「ごっくんしていない」と
いう中川の言葉は真実である。
中座の際、読売新聞社の女性記者に誘いがかかったが、これは、中川が個人的
に気に入っていたのか、玉木が打ち上げ会に華を添えようと気を使ったのかは
定かではない。もしかすると、女性記者の背後にちらつくナベツネの影がそう
させたのかもしれない。
こうして催された「内輪の打ち上げ会」では、おいしい酒を中川は味わったの
だろう。ただし、会見を控えていることもあり、ここで玉木や女性記者が大量
に酒を勧めたとは考えにくい。財務省や読売新聞社、はては某国の陰謀説を唱
えるなどは、三文推理小説の読み過ぎである。
実際、会見会場に到着するまで中川の意識ははっきりしていた。玉木もこれな
ら大丈夫だと思っていた。
ところが、会見が始まる直前から中川の様子がおかしくなりだした。蓄積した
疲労と睡眠不足、大量に摂取した薬品、さらには一度切れた緊張が相乗して、
飲んだ量を遙かに超えた影響が中川の体を襲い、極度の酩酊状態に陥ってしま
ったのである。時既に遅し。会見は始まり、周囲から会見中止を申し出る訳に
もいかない状況となった。
会見後、玉木からの報告で真実を知った財務省幹部は、玉木が中川酩酊の大き
な原因とされ、財務省全体の責任に飛び火することを恐れた。
そこで中川が帰国すると、会見前に昼食会のほかで飲酒したというのはまずい、
原因は薬の服用で通すことを進言、同行記者らには、その席にマスコミもいた
ことを逆手にとって箝口令を敷いたのである。
こんなところじゃないかね。