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ワシントン大治朋子】
イラクやアフガニスタンでの戦争で、反米武装勢力の爆弾攻撃を受けた米兵が爆風だけで脳内に特異な損傷を負うケースが多発している。
毎日新聞の米国防総省などに対する情報公開請求で、その負傷兵士数が少なくとも2万人以上に上ることが分かった。
頭部に外傷がなく、脳組織だけが破壊されて記憶障害などの症状を起こすのが特徴。
ハイテク防護服が従来以上に米兵の生命を守る「生き残る戦争」の現状が背景にあり、米軍は対テロ戦争で新たな課題に直面している。
武装勢力は米軍への攻撃で、改良して爆発力を増したIED(即席爆発装置)と呼ばれる手製爆弾を多用している。
毎日新聞が入手した米陸軍病院作成の資料(06年3月)によると、手製爆弾の多くは超音速(秒速約340メートル以上)の爆風を生む。
武装勢力は爆弾を道路脇などに仕掛け、米軍の至近距離で爆発させている。
医療関係者らによると、爆風の衝撃波が外傷性脳損傷(TBI)という負傷をもたらす。
著しい記憶障害やめまい、頭痛、集中力低下などが主な症状。
過去の戦争での医学的データはほとんどなく、損傷のメカニズムは分かっていない。
国防総省の開示文書によると、同省管理の病院で03年1月から昨年末までに脳損傷と診断された米兵は約9000人。
また、退役軍人省が管理する病院では07年4月から08年10月までに、約1万3000人が同様の診断を受けており、
総数は2万2000人に及ぶ。さらに2万人に「疑い」があり、実数はこれを大きく上回るとみられる。
詳しい診断状況が報じられるのは、米メディアも含め初めて。
陸軍病院脳損傷センター代表のマイケル・ジャッフェ医師は取材に対し、05年以降、論文などでこうした脳損傷の発生について
「強調した」と述べた。
しかし、米軍が対策を本格化させたのは07年秋以降で、米国防総省は事態を認識しながら、迅速な対応を取らなかった疑いもある。
毎日新聞 2009年2月17日 2時30分(最終更新 2月17日 2時30分)
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武装勢力の爆弾(IED)による人体の損傷
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