09/02/16 19:48:15 0
それに比べると米国では、ネット上で様々な問題について検索すると、大抵の場合は検索上位で賛否両論が
見つかりますので、ネット上でも民主主義とジャーナリズムがある程度根付いていると言えるのでしょう。
もちろん、ネットは基本的にゴミ溜めになっているという点では日本と同じですが。
では、なぜ日米でこのような差が生じるのでしょうか。ネット自体が悪いわけではないと思います。私見に
なりますが、日本社会にはまだ民主主義が十分に根付いておらず、かつ本当の意味でのジャーナリズムが
存在しない、というのが最大の理由だと思います。日本に本当の意味での民主主義が持ち込まれたのは敗戦後
であり、その歴史はまだ浅いと言わざるを得ません。また、日本の記者の大半は、本当の意味でのジャーナリスト
ではなく、数年で異動して担当も代わるサラリーマンです。
そのように考えると、日本のネット上が民主主義やジャーナリズムとはかけ離れた世界になるのは、やむを
得ないと言わざるを得ません。
◆ジャーナリズムを支えるマスメディアの再生が不可欠
だからこそ、瀕死の事態に直面している新聞やローカル放送をはじめとして苦境に喘ぐマスメディアの
再生は、日本の将来のために不可欠です。マスメディアが衰退してネットが主流になっては、まだ日本に
完全には根付いていない民主主義やジャーナリズムがいよいよ今まで以上に廃れるだけです。
私は、マスメディアの再生のためには、古くなったマスメディアのビジネスモデルの進化が不可欠だと主張
してきました。しかし、今やそれだけでは不十分と言わざるを得ません。同時に、民主主義を支える公器として
マスメディア自身が今一度ジャーナリズムを強化することも必要ではないでしょうか。ある意味、ネットの世論
の堕落は、ワイドショーを中心としたマスメディアの報道の堕落を反映しているかもしれないからです。
マスメディアが一層しっかりとして、ネットにも良い影響をもたらさなければならないのです。
続く