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法廷で証言中の被害者脅した容疑、被害者参加制度に波紋
自らが被告となった傷害事件の公判で事件の被害者に暴言を浴びせて脅したとして、
東京地検は12日、住所不定、無職渡部栄治被告(43)を脅迫と証人威迫の疑いで逮捕した。
この公判では、昨年12月に始まった刑事裁判の被害者参加制度が適用され、被害者の参加が
許可されていた。
地検の発表によると、渡部被告は9日に東京地裁で開かれた初公判で、証人として証言して
いた被害者の女性に対し、「また出てきてやってやるぞ。おれはおまえの顔を覚えている」
などと叫んで脅した疑いがあるという。
女性と渡部被告との間にはついたてが置かれていたが、女性が被告の暴言を聞いて両耳を
ふさいで泣き出し、渡部被告は裁判長に退廷を命じられた。審理は約18分間にわたって
中断した。
次の公判では、女性が参加制度を利用して渡部被告に直接被告人質問をすることも
検討されていた。女性の代理人を務めている佐藤文彦弁護士は「女性は強いショックを
受けていて、出廷できるかわからない」と話している。
今回の行為は、女性が証人として出廷していた時のもので、参加制度で新たに認められた
手続きとは直接は関係していない。立件した背景について、地検は「被害者参加に影響を
与える可能性がある事態はあってはならないことで、厳正に対処しないといけない」と説明した。
朝日新聞 asahi.com(2009年2月12日23時29分)
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