09/02/12 21:10:17 0
・「私は、(自分が)百パーセント日本人だと思っています。両親と日本で暮らしたい」。
不法滞在のため、国外への強制退去を命じられたフィリピン人の娘ら家族が、法相の裁量で
日本滞在を認める「在留特別許可」を入管当局に求めている。家族は13日、入管に出頭することに
なっている。そこでどのような判断が言い渡されるのか。期待と不安を胸に一家は、その日を迎える。
在留特別許可を求めているのは、埼玉県蕨市の中学1年生、カルデロン・のり子さん(13)一家だ。
のり子さんの父、アランさん(36)は平成5年に、母、サラさん(38)は4年に、それぞれ他人名義の
パスポートで、日本に不法入国し、7年にのり子さんが生まれた。
18年、買い物途中のサラさんが、路上で警察官の職務質問を受け、入管難民法違反で逮捕された。
当時、のり子さんは小学5年生。母の逮捕という衝撃の事実に、追い打ちをかけたのは父の一言だった。
「のり子、お前はフィリピン人なんだよ」
「ただただ、びっくりしました。全く実感がわかなくて」と、のり子さんは当時を振り返る。
母の逮捕まで、自分がフィリピン人であることを知らなかった。のり子さんにとって、その“告白”は
衝撃だった。娘を普通に学校に通わせ、日本人と同じように育ててきたアランさんは、「フィリピン人で
あることを、なかなか言い出せなくて…。本当に悪いことをした」と涙を流した。
「正直言って、両親をうらんだこともあります。『何でもっと早く言ってくれなかったの?』と…」
横に座る両親にちらりと目をやったあと、伏し目がちに胸の内を語った。
両親の不法入国の結果、自分も不法滞在となり、フィリピンへの“帰国”を迫られている事態をよく
理解するにつれ、心の葛藤は続いた。
「でも、家計を支えるため、日本に出稼ぎに来た両親をうらんでもしようがないって分かったんです」
中学1年生になったのり子さんは、フィリピン国籍であることを頭では理解しながらも、「私は
百パーセント日本人」という思いに変化はない。(>>2-10につづく)
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