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神奈川県警の元警視らが関与したとされる山梨県の「神世界」グループによる霊感商法事件で、
虚偽の説明で不安をあおり高額な祈願を受けさせたなどとして、東京都や神奈川県などの主婦や
会社員ら約20人が3月上旬、神世界を相手取り、慰謝料など計約1億1000万円を求めて
東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こす。
被害対策弁護団によると、神世界に対する集団提訴は全国初で、今後の追加提訴も予定している。
同県警も霊感商法による巨額詐欺事件とみて捜査を進めている。
弁護団によると、原告は2004~07年末、神世界系列のヒーリングサロンなどに通い、
「心身の不調は先祖の霊のせい」と脅されるなどして、「ご霊光」と呼ばれる高額の祈とう料や
仏画などの霊感商品代としてそれぞれ200万円以上を支払ったとしている。
がん闘病中にサロンへ通い、「薬を使ってはいけない。ご霊光でがんは治った」などと指示され、
症状を悪化させた人もいるという。
弁護団は昨年9月までに、87人の被害額として計約2億4600万円の返金を神世界に請求。
神世界側は、和解を持ちかけたり、「請求額の90%なら応じる」などとの回答を繰り返していたが、
弁護団は「本来、全額が返されなければならない」として提訴に踏み切った。
事件を巡っては、同県警警備部の警視がサロン運営に関与していたことが発覚。
昨年2月に懲戒免職となったほか、県警本部長らの監督責任も問われた。また、北海道大学の准教授が
自宅をサロンとして提供したなどとして諭旨解雇処分を受け、1月に辞職した。
◆「神世界」グループによる霊感商法事件◆
神奈川県警などによると、神世界は有限会社で2002年3月からこの名称で活動を始めた。
07年12月、県警は霊感商法を行っているとして、山梨県甲斐市の本社や都内のサロンなど
100か所以上を詐欺容疑で捜索。弁護団によると、会員数は5000~6000人、被害額は直近
の3年間だけでも100億円を超えるとみられる。
(2009年2月12日03時09分 読売新聞)
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