09/02/10 20:03:15 0
日本交通公社が行った旅行者調査では、「行ってみたい旅行」のトップは常に温泉旅行である。ずばり「温泉が
好きですか」と質問すれば、48.7%が「とても好き」、39.6%が「好き」と答える。すなわち、日本人の9割近
くは温泉が好きだ(日本交通公社『旅行者動向』より)。
それにもかかわらず、温泉地や温泉旅館を取り巻くニュースにはなぜか「再生」の2文字がつきまとう。日本人
は「温泉好き」が多いのに、温泉地は観光客数の減少に悩み、旅館経営が苦しい。それはどうしてだろう。
実は温泉に関連するデータの中で、右肩上がりに増えているものがある。温泉地数、そして温泉を利用した公衆
浴場施設の数だ。
日本の温泉地は、20年前に約2200カ所であったものが、2007年3月末には3150カ所へと増加した。また、温泉を
使った日帰り入浴施設はこの20年間で2.7倍に増加し、7800軒に上っている(環境省調べ)。
温泉観光地にとっては、競合する温泉地が増加するわけであり、経営環境は厳しさを増すことになる。実はこう
した「量」だけでなく「質」の面でも、温泉観光地を取り巻く環境は大きく変化している。
まずは、温泉地の客層の変化である。かつて主流だった団体旅行やバブル経済期の法人需要は、1990年代以降、
目に見えて減少していった。そこで温泉観光地は「個人旅行、少人数グループ旅行への対応の遅れ」を問題とし、
その対応に追われるようになった。
「質」の面の問題はもう1つある。「日帰りで温泉に行く」というレジャーの台頭だ。このインパクトが温泉観
光地に与えた影響の大きさは見落とせない。
全国の市町村が一斉に温泉掘削に走ったのは、1988~89年の「ふるさと創生1億円」がきっかけだったと言われ
る。その後、日帰り温泉は各地で存在感を増し、特に都市部で進化を遂げた。楽しさのバリエーションを増やし、
滞在時間を延ばすことに成功した所も少なくない。日帰り温泉はもはや一時のブームではなくなっている。20代
の若者の中には「温泉と言えば日帰り」をイメージする人も現れている。(後半部略)URLリンク(jbpress.ismedia.jp)