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・最高裁で国外退去処分が確定し、在留特別許可を求めている埼玉県蕨市、フィリピン人の
カルデロン・アランさん(36)と妻サラさん(38)、中一の長女のり子さん(13)の身柄収容を
一時的に停止する仮放免が十三日、期限を迎える。日本で生まれ育ったのり子さんは「大好きな
友達や先生のいる日本で、両親と一緒に生活させてほしい」と訴えている。
のり子さんは、中学校で合唱部に所属。昨年はNHK全国学校音楽コンクールの舞台に立った。
のり子さんの夢は、日本人の友達と一緒にダンススクールを開くことだ。
サラさんが逮捕された後、一家は日本語しか話せないのり子さんの将来を考え、入国管理局に仮放免を申請。
一方で、退去取り消し処分を求める訴訟を起こしたが、昨年九月に最高裁で退去処分が確定した。
その後、仮放免は三度延長されている。
この間、アランさんの勤務先の社長が、サラさんの保釈金を立て替えてくれた。昨年十月には、のり子さんの
友人や近所の人らが在留許可を求める署名運動を開始。一万七千人分を超える署名は、法相に提出された。
国内の不法滞在者は約十四万九千人と推定されているが、特別在留許可を与える基準は明確ではない。
同じように、不法滞在の両親と日本で生まれ育った中学生のフィリピン人一家が、国外退去処分の取り消しを
求めた訴訟で、訴えは退けられたものの、判決に「日本で教育を受ける機会を失わせ、将来の夢を断念
させるのは見るに忍びない」と付言があり、在留が認められたケースもある。
今回の問題が報道されるようになった後、のり子さんが通う中学には「どうして不法滞在者の子どもを
受け入れるんだ」という批判の電話が相次いだ。このため、当初支援していた学校側は「今は事態の
推移を見守るしかない」とする。
アランさんは「私たち夫婦は不法入国しました。でも娘にはなんの罪もない」と話している。
一家を支援する渡辺彰悟弁護士は「子どもには等しく教育を受ける権利がある。入管は、
日本で夢を実現したいというのり子さんの思いをよく聞いた上で判断してほしい」と訴えている。(抜粋)
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