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【台北=長谷川周人】日本で定額給付金が支給されるのを前に、経済の失速が深刻な台湾で先月、日本の地域振興券をまねた
1万円相当の消費券が全住民を対象に配られ、“消費券特需”が起きている。瞬間的な景気刺激策にすぎないとの批判もあるが、
多くの住民が政府からの「紅包」(お年玉)に飛びつき、消費を押し上げた。消費が増える春節(旧正月)の大型連休直前に発給されたことが大きいようだ。
経済再建を公約に政権復帰した中国国民党の馬英九総統だが、昨年5月の就任以来、世界不況のあおりを受けて株価は半減。
リストラの嵐が吹き荒れて昨年12月の失業率は5・03%で、失業者数は過去30年で最悪の約55万人となった。
昨年第4四半期の経済成長率はマイナス1・73%で、今年もプラス成長への転換を危ぶむ声がある。
この閉塞(へいそく)感を打ち破ろうと馬政権が考えたのが消費券の発給による景気刺激策だ。財源を国債発行で確保する案は、
立法院(国会)での可決から発給までわずか約1カ月半と駆け込み実施だった。年齢制限も所得制限も設けず、連休直前の1月18日、
外国人配偶者を含む2319万人を対象に835億元(約2200億円)の消費券が発給された。換金ができず、今年9月までに使わなければならないとあって住民たちは消費に走った。
支給までは野党も「無能内閣のばらまき政策」と批判していたが、庶民は不況や政権の急速な対中接近に不満を抱えながらも、
金券をあえて拒否する勇気はない。野党攻撃は尻すぼみ。しかもふたを開ければ、発給当日だけで全住民の9割を超える2117万人が消費券を受け取った。
問題は経済効果だが、連休明けの2月3日現在、使われた消費券は全体の4分の1にあたる213億元(約562億円)で、
なお500億元(約1320億円)以上の消費券が市中に滞留している計算だ。
当局の試算では、最終的に消費券発給で今年の経済成長率を0・66ポイント押し上げる効果が期待されるという。
馬政権は効果を見極めながら発給の第2弾も検討する方針だが、政権関係者は「経済効果に加え、住民に満足感を与える
心理的効果が重要だ」と話す。支持率が落ち込む馬政権は、一定の成果を上げた消費券を踏み台とし、年末に予定される統一地方選に向けた地盤固めに入った。
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