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★<記者発>若者に届かぬ言葉
・若い世代に自分の暮らしと政治とのつながりを知ってもらう-。そんなうたい文句に誘われ、
都内で開かれた討論イベント「格差時代の夜明け前」(NPOカタリバ主催)を聞きに行った。
「大人」の代表として国会議員と学者、政治記者、「若者」代表として学生やフリーターらが
壇上に並び、政治や格差問題を議論。学生や二、三十代のサラリーマンら約四百人が熱心に
耳を傾けた。
盛り上がってきたところで、突然、若者側代表の一人が「議論がかみ合っていない。(大人側の
話は)言葉が難しく分からない」とかみついた。会場からも「そうだ」との声があがった。
大人側の発言は、私たちがふだん記事を書くときに使う表現とそう変わらない。むしろ、
意識的に分かりやすく話していたと思っていた。それが若者には通じないのだ。この感覚の
ズレは何なのか。政治記事が若者に読まれないのも無理はないと、衝撃を受けた。
さらに司会者が会場に「マスコミの報道は信用できるか」と問うと、大半がノー。討論会に
参加する若者は政治に関心があるはずなのに、政治記事を理解できず、信用もしていない。
そんな現実を突きつけられた。
ただ、救いもあった。「次の衆院選に必ず行くか」との司会者の問いには、参加者のほとんどが
行くと答えた。投票の判断材料を提供するのは私たちの仕事だ。どう若者の心に届く記事を書くか。
難しい宿題をもらった。 (清水孝幸)
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