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◆「捨て犬・放し飼いやめて」
国天然記念物の奈良公園の鹿が、犬に襲われ、死傷する被害が相次いでいる。背景には
ペットを公園に捨てたり、周辺で放し飼いにしたりする飼い主の心無い行動があるようだ。
(棟形祐水)
1月29日朝。県庁近くで鹿が犬に襲われていると、「奈良の鹿愛護会」に連絡が入った。
職員が駆けつけると、2匹の犬が逃走。鹿は足の付け根をかまれて出血しており、春日大社近くの
鹿苑(ろく・えん)に運ばれ、縫合手術を受けた。
3日後の1日朝、鹿苑そばの捕獲箱に雑種の雌犬が入っているのが見つかった。7歳くらい。
白と茶が混ざった色。愛護会は特徴から鹿を襲った2匹のうちの1匹と判断。青色の布製首輪を
はめていたが、1月始めから公園周辺でたびたび目撃されており、市保健所が引き取った。
動物愛護法や県動物愛護条例で、犬を捨てたり放し飼いにしたりすることは禁止されている。
捕獲された犬は飼い主が名乗り出ない場合、10日ほど後に殺処分となる。市保健所によると、
今回の捕獲犬は4日に飼い主を名乗る人物が引き取りに現れたという。犬は放し飼い状態だったらしい。
愛護会によると、奈良公園一帯には多いときで10匹、現在も少なくとも3、4匹の野犬がおり、
ほとんど捨て犬と見られる。集団で鹿を襲うことがあり、ここ数年、年間20頭前後の鹿が尻や
腹をかまれて死亡、ここ半年の間にも13頭が死んでいる。
鹿は雄同士が縄張り争いなどで角をつき合わせることはあるが、草食動物なので他の動物を
襲うことはない。犬の群れに太刀打ちできず、あわてて公園周辺の道路に飛び出して車にはねられ
死傷するケースも少なくないという。
愛護会の池田佐知子事務局長は「鹿も犬も傷ついているのが現状。どうか命を大切に、
飼い犬を捨てないのはもちろん、無神経な放し飼いもやめてほしい」と訴えている。
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