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長く折衝してきた甘利明行政改革担当相は「あんな不遜な官僚は見たことがない」と憤りを隠さない。
甘利氏が話をしようとしても、谷氏は「事務方と同じ見解ならば会う必要はない」と面会を度々拒否。
交渉過程では、甘利氏との電話での会話を無断で録音するなど抵抗戦術を続け、
「われわれを総務省や財務省などと同列にしないでほしい」と言い放ったという。
谷氏が強気の姿勢を崩さない背景には、人事院の特殊な身分制度がある。
総裁を含む人事官3人は弾劾裁判でなければ罷免されず、閣僚の意向を気にする必要はない。
加えて人事官は国会同意人事なので、総裁が辞任すれば新たな人選は困難を極める。
メディア対策も秀でている。甘利氏との直接折衝の度に、谷氏らは担当記者に入念な説明を行い、
人事院側の主張を展開。3日の決定までに計5回の記者ブリーフを行ったほか、論説委員へも説明会を続けた。
また、昭和28年以降、人事官3人のうち1人は報道機関の幹部経験者の指定ポストで
毎日、朝日、読売、NHK、日経の退職幹部が歴任してきた。
閣僚経験者は「報道機関が人事院を批判できるわけがない」と打ち明ける。
谷氏は4日朝、民放情報番組への生出演を決めた。いよいよ反撃ののろしを上げたといえるのではないか。(田中靖人)
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