09/01/29 00:19:32 bHXO1Q3+0
水没した街に一人残されたおじいさんが家族の記憶をたどる物語。
水位が上がり、おじいさんは自宅を積み木のように上に建て増して暮らしている。
水に潜るシーンでは、ため息がたくさんの水泡として描かれ、通常は見えない吐息を視覚化した演出が胸を打つ。
絵本のような手描きのタッチの魅力も大きい。
「いろんなアニメーションがあっていいと思う。手描きは温かみが出る。手触り感を出したい」
・手描きのぬくもり
「つみきのいえ」では鉛筆を使った。コンピューターグラフィックス(CG)作品が全盛なだけに、手作り感が新鮮だ。
人物などの動画と背景のすべてを描いてパソコンに取り込む。色は紙の質感が出るようパソコンで工夫した。
作品によっては直接、色鉛筆で塗ることもある。手描きの質感を大事にしたいからだ。
同様に手描きで「マチエール」(材質感、絵肌)を大切にする山村監督は従来の日本の漫画映画を指す「アニメ」と区別するため、
広義の「アニメーション」という名称にこだわる。短編アニメーションは半世紀近く前から、久里洋二さんら日本人作家の作品が海外で認められてきた。
近年は宮崎駿さんら長編の漫画映画に世間の目が向きがちだが、
加藤さんや山村さんの受賞は21世紀における日本のアニメーションのすそ野の広さを改めて世界に示している。(堀晃和)
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