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◇働く者の受難、どこまで
東京・原宿などを中心に国内外に約95店舗を展開する人気ブティック「ビームス」(設楽洋社長、東京)の
洋服を作っている愛媛県内の縫製工場が、
外国人研修生・実習生として働いていた複数の中国人女性に違法な低賃金労働をさせていたとして昨年、処分を受けた。
工場の経営者や帰国した研修生らに話を聞くと、年末年始もなく明け方まで過酷な労働を強いられる「平成の蟹工船」が、
ファッション業界を支える実態が見えてきた。【後藤直義】
◇パンかじり、明け方までミシン
ビームス社は76年、東京・原宿で創業。輸入品と自社オリジナルの洋服を並べる「セレクトショップ」の先駆けで、
同社ホームページによると、グループ2社の年商は計670億円(08年2月決算)。縫製工場の経営者によると、
工場は00年ごろ、大阪市の業者を通して同社の洋服作りを委託された。
しかし、慢性的な人手不足で、05年から外国人研修・実習制度を使い中国人女性9人を採用。
少なくとも年間数千着を超えるという同社を含む、複数の若者向け人気ブランドの洋服作りを続けた。
アパレル業界では売れ筋の商品を「生もの」と呼び、1週間など短納期で商品を発注する。
中国人女性について「正直、ベテランの日本人よりずっといい働きだった」と話す経営者も納期を守るため、
繁忙期には彼女たちと一緒になって月200時間を超える残業をこなした。
「インスタントラーメンやパンを食べながら、明け方までミシンを掛けた」。任新艶さん(26)は中国・青島から05年10月に来日し、
この工場で働いた。残業代は時給200~480円で、大みそかや正月も仕事に明け暮れた。
既に帰国しているが、日本に滞在中の2年半で体重が10キロ減り、3回も入退院を繰り返した。(>>2以降へ続く)
ソース:毎日新聞 2009年1月26日 大阪朝刊
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