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大阪市住吉区のマンションで14日、元契約社員の男性(49)が、栄養失調状態で孤独死しているのが見つかった。
死後約1か月。男性は職を転々としながら独り暮らしを続けていたが、約2年前に体調を崩してから仕事がなく、
区役所に生活相談に訪れていた。
命は救えなかったのだろうか。足跡をたどり、検証した。
マンションはワンルーム形式で、家賃は月3万9000円だった。
その家賃が昨年11月分から滞納されていたため、14日午前、管理会社の社員(55)が訪ねたところ、
ベッドで、普段着のまま男性が死亡していた。
遺体は、極度にやせ細っており、行政解剖で、胃の内容物はほとんどなく、死後約1か月とわかった。
糖尿病を患っていた。冷蔵庫は空っぽで、所持金はわずか90円。住吉署は餓死の可能性もあるとみる。
近所づきあいはなく、同じ階の住民(35)は「どんな人が住んでいたかも知らない」と話した。
男性は、徳島県鳴門市の生まれだった。地元の高校を卒業し、母親(81)と兄(52)を残して大阪市に出た。
工業用ミシンメーカーに就職。
以来、ずっと大阪で暮らしていた。兄は「地元に仕事はなく、弟は大阪で生活するしかなかった」と話す。
男性は、フリーのプログラマーとして職を転々としていた、という。2003年から勤めていた神戸市の
情報処理会社によると、同社でも、プログラマーとして銀行のシステム開発に携わった。
「仕事熱心でまじめ」という評判だった。
だが、07年3月に体調を崩して退職。同12月から入院生活を送った。
大阪市によると、男性は退院後の昨年2月、住吉区役所の生活保護窓口を訪れた。
「仕事がなく、通院しながらの生活が不安だ」と訴えたが、担当職員は「働く意志がある」と判断。
「まだ若いので求職してください。仕事が見つからなければまた来て」と伝え、生活保護申請の
必要書類を手渡すにとどめた。(続く)
(2009年1月25日17時07分 読売新聞)
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