09/01/20 00:09:16 DS9jxGPh0
人類と社会のあらゆることが、未来には、そのように両極端に分かれてしまうのだ。
たとえばカネだ。一方には腐るほど大量のカネを持ち、広く高価な土地を持ち、
労せずして限りなく肥っていく階級が現われる。
貴族とか新しい中産階級とか言ったのはその意味だ。
だが少数の彼らが現われる一方、他方の極には、
何をどうやっても絶対に浮かび上がれない連中も現われるのだ。
それはカネだけの問題でもない。より正確にいえば、精神の問題だ。
限りなく心が豊かになっていく精神の貴族、精神の新しい中産階級が現われる半面、
支配者が笑えと言えば笑い、戦えといえば戦う『無知の大衆』『新しい奴隷』も増えていくのだ。」
人間だけではない。国もそうだ。恐ろしく豊かな、労せずして肥っていく国が現われる。
他方、何百年かかっても絶対に払いきれないほどの借金をかかえ、
水一杯すら容易に飲めない国も現われる。気候もそうだ。
とほうもない旱魃や熱波におそわれる国と、寒波や洪水におそわれる国が出る。
災害におそわれつづける地域と、楽園のような地域、人っ子一人いなくなる荒地と、
無数の人間が鼻をくっつけ合って生きる都会とが分かれる。
愛もそうだ。特定の男女にだけ、愛と肉体の快楽が集中する。
一方、一生に一度の真の愛も快楽も得られない男女も増える。
要するに、土地や金や支配力を得る者は、ますますそれを得、
支配される者はますます支配されるだけになる。