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◇精神障害者の日常感じて--山本明子さん(48)
06年9月の公開以来、全国各地で自主上映会が続くなど静かなロングランを続けている岡山発の映画がある。
実在する岡山市内の精神神経科診療所「こらーる岡山」に通う精神障害者の日常に焦点をあてたドキュメンタリ
ー「キチガイの一日」だ。監督は診療所の事務員として働く山本明子さん(48)。「技術も機材もなかった素人」
だったという山本監督が、映画に込めた思いを聞いた。
--「キチガイの一日」とは、刺激的なタイトルです
吉沢さんとタイトルを相談した際、「阿呆(あほう)の一日」「バカモノの一日」などの案が出ました。しかし、吉沢さん
は「精神分裂病や統合失調症などと呼ばれることで、精神障害者の存在が隠されてきた。“キチガイ”と呼ばれた
昔の方が街にいやすかった」と言う。「多くの人が見る機会を作れるような、良い意味でも悪い意味でもインパクト
を与えられるような題名にしよう」ということで決まりました。
--上映時の反応はどうでしたか
題名を隠して上映会が開かれたり、精神障害者の子どもを持つ家族から「キチガイと呼ばれる気持ちが分かるのか」
と言われたこともあります。私自身も悩みました。でも、まず映画の中身を見てほしいと思います。そして歌をうたい、
だじゃれも連発する吉沢さんという個人を通して、精神障害者の日常を感じてもらえればうれしいです。
--映画に込めた思いを
「病気になってもいいんだよ、というメッセージを受け取った」と感想を寄せてくれた人がいました。また、私自身撮影
しながら、健常者にはないような時間の流れを吉沢さんに感じました。映画を見終わった後に、「胸を張って堂々と
生きていたい」という吉沢さんの思いが伝わればと思います。(一部略)
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