09/01/14 20:16:17 0
これではせっかくの教育基本法の規定も画に描いた餅(もち)に過ぎなくなる。「村山談話」が教育基本法に優位し、
理念を形骸(けいがい)化させるという構図である。
この類推でいけば、「村山談話」が維持される限り、近い将来、憲法が改正され、自衛隊が憲法上に正当に位置付けられたとしても、
自衛隊は「村山談話」に沿った存在でしかない。「普通の国」の軍隊とは程遠いものにしかならないだろう。
「村山談話」が憲法改正を相対化させるという構図である。
「村山談話」はその出自に問題があるにせよ、とにもかくにも政府見解である。そのためそれを「錦の御(み)旗」にして、
特定の勢力はぐいぐいと政府関係者や関係機関を追い立てていく。個人的には「村山談話」に問題があると分かっていても
政府見解であるから、表向き反対できない。引き下がらざるを得なくなるということだ。
≪「建前」が憲法より上に≫
「村山談話」だけではない。我が国には特定の勢力にとって極めて都合のいい「建前」がある。いわゆる従軍慰安婦についての
「河野談話」、教科書検定の「近隣諸国条項」、「児童の権利条約」、「男女共同参画社会基本法」などがその典型だが、
彼らはそれらを前面に押し立てて主張を展開する。
「村山談話」を含めてこれらには何れも出自や根拠に問題がある。そのことは政府関係者もよく分かっている。しかし、何れも政府に
よってオーソライズされたものであるがゆえに、これらの「建前」を前面に出されると政府関係者は引き下がらざるを得なくなるのだ。
田母神氏の論文発表から生じている一連の問題はこのような構図が存在することを明るみに出した。
このような「建前」が存在する限り、教育基本法を改正し、憲法を改正しても、それらは何れも「建前」に服するものでしかない。
奇妙なことだが、これらの「建前」が憲法にも教育基本法にも優位し、形骸化させるのである。
では、その解決策は、ということになるが、「建前」自体の相対化以外になかろう。特定勢力が「錦の御旗」として押し立てている
「建前」をその出自や根拠に問題があることを明らかにし、根本的に見直していくことが、これらの「建前」にわが国の政治や
行政・外交・教育が乗っ取られることを阻止する唯一の方法であろう。特定勢力による壟断(ろうだん)を許してはならない。(やぎひでつぐ)