09/01/13 14:20:51 0
・N氏は典型的な真面目人間で、50代前半で銀行の副支店長という肩書きでした。
この年は業績の計算数字がなかなか合致せず、何度も計算を繰り返すうちに帰宅時間が迫り、
N氏は仕方なく、USBメモリにコピーを行う権限を持つ副支店長という立場を利用して、USBメモリに
業務関連の資料データをすべてコピーし、自宅で作業することにしました。
本部への報告から数日して、N氏の勤める銀行の内部資料が「Winny」のネットワーク上で
発見されたという噂が流れました。N氏は、「また、そんな事件が起きたのか! しかも、うちの
銀行ではないか。いったい、どこの誰がそんな馬鹿なことをしたのか」と思ったそうです。
銀行では直ちに専門チームを組織して、漏えいした資料を発見し、内容を確認しました。
すると、N氏の作成した資料や内部情報だったのです。
N氏はすぐに本部へ呼ばれ、状況を聴取されました。また、彼には内緒で別の調査チームが
N氏の自宅に出向き、彼の使っていたノートPCを夫人の承諾を得て入手しました。N氏には
全く身に覚えがありません。当然ながら否定するしかなかったのです。しかし、回収したノート
PCを専門家が調査したところ、わずか15分でWinnyの暴露ウイルスが発見されたのでした。
さらに調査を進めたところ、最終的に大学生の長男が使用していたことが判明しました。
長男は自分のPCは持っていました。しかし、メーカーへ修理に出していたところだったのです。
長男はいわゆる「Winny中毒者」でした。映画や音楽などを違法コピーしたデータなどを簡単に
入手できるという快感がどうしても忘れられず、少しの間でも我慢できなかったのです。
つい父親が留守にしている平日にN氏のPCを借りて、Winnyの操作に没頭していたということでした。
さて、N氏の今後の処遇については、人事部や上司である支店長などが検討しました。N氏本人が
流出させたわけではないものの、無罪放免では済みません。社会が納得するであろうとして、
依願退職という形になりました。しかし、N氏は50代です。この状況下では、簡単には就職口が
見つかりません。(>>2-10につづく)
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