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◇誇り持てる社会に--消えぬ格差、「血」隠す苦悩
「アイヌってどういう人?」。アイヌ民族の夫を持つ胆振管内白老町の女性(42)は、
次女(18)が小学校高学年のころ口にした素朴な質問に一瞬戸惑った。夫が「おれたちの
ことだ」と答えると、居合わせた長女と長男も驚いた様子を見せた。女性が「恥ずかしがる
ことないよ」と続けると、子どもたちはすんなり受け入れてくれたようだった。
アイヌであることを理由に差別されてきた苦難の歴史は「アイヌの血」を隠して暮らす
人々を今なお生み続けている。
女性の長女は中学時代、友人が「あそこの家はアイヌなんだよ」と陰口をたたくのを
聞いたが、実はその友人もアイヌだった。自身の出自を親から教えられないまま、差別する側に
回る悲劇。女性は「子供にどうやってアイヌであることを伝えるか悩んでいる人は多い」と
打ち明ける。
今、長女は21歳。「結婚で差別を受けないか不安に思うこともある」と女性の心配は
尽きない。
◇
苫小牧市内の40代の女性はアイヌの父と和人の母の間に生まれ、中学時代に初めて差別を
受けた。同級生から「お前アイヌだろ。気持ち悪い」と言われたトラウマは今も消し難く、
アイヌ関係のテレビ番組が流れると、黙ってチャンネルを替えてしまうことがある。
女性は「嫌な思いをしたからアイヌとして生きたくないという人は多い」と、声を上げられぬ
アイヌの気持ちを代弁する。5年ほど前に子どもにもアイヌの血をひくことを伝えたが、その後
も家庭ではアイヌの話題がタブーになっている。
(>>2以降に続く)
▽Yahoo!ニュース(毎日新聞)
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
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