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非正規労働者の大量解雇が社会的大問題になるなか、キヤノンなどの大企業は、
「雇用機会の拡大」を名目に大分県から多額の補助金を受けながら大規模に首切りを強行しています。
この身勝手なやり方に地元からは「大企業は社会的責任を果たせ」と怒りと批判の声が上がっています。
大分県には企業誘致のための直接補助や用地整備に補助する制度が複数あります。県の資料によると、
一九九六年度から二〇〇八年度までの十三年間で百二十二億七千万円を支出しています。
トップはキヤノングループ。グループ二社には「大規模投資促進補助金」として三十億円の直接補助や、
用地造成費の差額十八億円を県が補てんするなど、総額五十七億七千万円にのぼる「援助」がおこなわれています。
さらにキヤノンは大分市からも〇八年度までの四年間で二十億円の補助金を受けています。
県から補助金を受けた企業には、キヤノン、東芝、ソニー、ダイハツなど、大量解雇をすすめる大企業のグループ会社が並びます。
東芝に五億円、ソニーに二億三千六百万円、ダイハツに四億九千万円など、大盤振る舞いです。
補助は、「雇用機会の拡大」や「地域経済の活性化」を目的に設けられました。
大分県内では、大分キヤノン(大分県国東市)の千九十七人、大分キヤノンマテリアル(同杵築市)の八十人、
東芝大分工場の三百八十人などの非正規労働者二千五百十一人が解雇や雇い止めとなっています。
キヤノンなどによる今回の大量解雇は地域経済に深刻な影響を与え、大分市など地元自治体が緊急雇用対策に乗り出しています。
こうした地域経済の混乱を起こしながら大分キヤノンマテリアルは「当社と(解雇された)派遣社員は関係がない。
当社は派遣会社と契約しているのであって、個人と契約はしていない」といい、大量解雇は派遣会社の都合としています。
大分キヤノン工場で契約途中の十一月に契約打ち切りにされた請負労働者の女性(48)は、
「私たちを人間扱いしていません。解雇は派遣会社の都合というけれど、私たちはキヤノンの製品を一生懸命つくっていたのに、
冷たい仕打ちが許せません」と憤ります。
ソース:しんぶん赤旗
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