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◆住居支援行政は周知不足
生活保護の受給が決まった人に朗報となったのは、アパートを借りる際の敷金・礼金も
支給されることだ。これは特例ではなく、もともと制度として生活保護の住宅扶助に含まれている。
だが、現状は住居のない生活困窮者が生活保護を申請しても、
窓口で制度の説明を受けることはまずないという。
この制度では、敷金・礼金のほか、保証人がいない人の保証会社への手数料など
計二十七万九千円まで受給できる。生活保護に詳しい渡辺恭子弁護士によると、
実際には「申請が受理されても自立支援施設や簡易宿泊所に収容されることが多い」という。
制度の説明をしないだけでなく、新宿区で路上生活していた男性(58)が昨年、区に
生活保護を申請したが、アパートの入居を希望したため却下されたという事例すらある。
派遣村に来た男性(36)も「過去に何回か生活保護を申請したが『住所がないとだめ』と
受給できなかったこともあった」と証言。渡辺弁護士は「窓口でなかなか申請を受け付けない
『水際作戦』によって、生活保護制度は本来の運用がなされていない」と批判する。
住居確保の扶助金を知らない人が圧倒的に多い背景には、生活保護費を抑制したい
行政側の作為すら感じさせる。就職や自立に住居は不可欠だ。行政は早急に制度を
広く知らせ、制度にのっとった運用をすべきだ。 (菊谷隆文)(おわり)